明豊ファシリティワークス を評価してみました。
建設のマネジメントサポート企業で、これまでの業績はとても良かったです。次年度はコロナの影響で減益予想ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
明豊ファシリティワークス とは
私たち明豊ファシリティワークスは、建物を所有、もしくは建設プロジェクトを控えたお客さまに対し、お客さま側に立つ建設のプロとして、
参考:ホームページより
課題解決を支援する会社です。建設プロジェクトの立ち上げから、プロジェクトの推進(品質・工期・コスト管理)、
保有施設の運用・管理まで、施設に関するあらゆる段階からお客さまを支援いたします。
建設業のカテゴリーですが、 発注者支援をするCM(コンストラクションマネジメント)を行うニッチな業界でトップな企業です。コンサルのようなビジネスモデルのため設備投資が不要で高利益率を実現しています。建設のプロによる各種管理(早期立ち上げ、効率化、品質管理)に強みがあります。テレワーク化や働き方改革を支援するオフィスの事業が伸びています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/5/18
株価 : 505 (基準日時点)
日経平均 : 20,059 (基準日時点)
1.時価総額
☆☆☆☆☆
時価総額は82.2億円の企業で規模はかなり小さいです。PBRは1.66倍です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は75.5%とかなり高い数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★★★☆☆
2020年度決算での当期純利益率は14.7%です。建設業としてはかなり利益率は高いです。年々上がってきていましたが、2021/3期はさすがにコロナウイルスの影響で減益となりそうです。



4.増収傾向
★☆☆☆☆
減収の傾向があるが増益をしているという珍しい傾向です。ピュアCMとアットリスクCMという特殊な計上方式により減収となっているようです。10期連続増益です。2021/3期は減益の予想です。



5.増配傾向
★★★★☆
これまでの増配傾向はよかったですが、2021/3期は大幅減収の予想です。10年近く減配しない累進配当の傾向を維持してきましたが、ついに減配予想です。



6.配当性向
★★★★☆
2020年決算時の配当性向は40.6%で少し多めな水準です。会社の配当方針は「配当性向35%程度」のため、次年度は減配の予定です。
7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは10.18倍で割安です。比較的に割安で推移しています。最近は値動きが激しいので、購入予定の方は注意が必要です。



8.負債/純利益率
★★★★★
2020年決算時の有利子負債はゼロです。無借金経営です。
9.配当利回り
★★☆☆☆
評価時点での配当利回りは2.3%です。もともとは利回り4%超えの高配当株でしたが、2021/3期の減配予想にて配当利回りが大幅に下がりました。
10.ROE & ROA
★★★★★
2020年度決算ではROEが16.7%、ROAが11.4%。2021年度決算予想ではROEが10.2%、ROAは7.5%です。ROEとROAはかなり高めです。



11.フリーキャッシュフロー
★☆☆☆☆
2020年度決算では営業CF=-146百万円、投資CF=-143百万円 です。2020/3期ではマイナスの営業キャッシュフローです。2018年度末に売上計上したアットリスクCM(請負契約型CM)に係る仕入債務589の支払い期日が 2019年4月であった一時的な理由ということです。キャッシュがとても多いので良い傾向です。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、ROEや純利益率などの稼ぐ力が強いことと、財務優良というところです。
悪いポイントとしては、2021/3期の業績が悪くなる予定で大幅減配の予定になっているところです。
もともとは業績の良い高配当株で魅力的でしたが、最近2020/3期の決算が出て、2021/3期は減益・減配が発表されたので少し魅力が下がりました。株価も大きく下がっていますが、もともと稼ぐ力が強めな企業なため、長期で見た場合でのインカムリターンは期待できます。テレワーク化を支援するセグメントを持っていたり成長性を感じますがどうでしょうか。
ピュアCMとアットリスクCMという特殊な計上方式により減収・増益の傾向を持っていたり、マイナスの営業キャッシュフローになったりと業績がつかみにくいですが、純利益に着目すればしっかり成長している企業だとわかります。



リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2010/3期に赤字になっていました。しかし、赤字でも配当を据え置きで出していました。2011/3期も業績がそれほど戻っていませんでしたが、配当性向を100%以上にして配当据え置きを実現していました。過去の傾向では減配しない傾向がありました。
コンサルのようなビジネスモデルのため、景気敏感性がとても高そうです。リーマンショック時は赤字でも減配しませんでしたが、2021/3期は大幅減配を予定するなどかなり弱気の業績予想になっています。
まとめ
- 財務優良で稼ぐ力がとても強い企業。
- 特殊な業態(?)のため、減収・増益の傾向で成長してきた。
- リーマンショック時に赤字になり影響を受けていたので景気敏感性が高い。
- リーマンショック時に業績悪化をしていたが配当は維持していた。
- 2021/3期は減益予想ですが、大幅減益を予定するなど過去とは違った傾向。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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