高松コンストラクショングループを評価してみました。
M&Aにて規模を大きくしてきた中堅ゼネコンの企業です。財務優良で業績好調です。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
高松コンストラクショングループとは
M&Aにて規模を大きくしてきて、現在合計21社からなる企業グループです。 髙松建設株式会社ならびに青木あすなろ建設株式会社を中核となっていて、 建築事業、土木事業、不動産事業という3つの事業分野 を展開しています 。 技術研究所 も持っていて、 同等クラスのゼネコンの研究所としては最高水準の設備を誇ります。 社会インフラの老朽化対策や長寿命化対策・防災・環境技術の開発などにも力を入れています。

参考:高松コンストラクショングループのホームページ(外部リンク)
12項目の評価
評価基準日 : 2020/8/8
株価 : 2,218 (基準日時点)
日経平均 : 22,329 (基準日時点)
1.時価総額
★★★☆☆
時価総額は933億円の企業で規模はそこそこあります。PBRは0.7倍でかなり割安です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は52.1%とかなり高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2020度決算での当期純利益率は3.1%です。利益率は低めですが、3%前後で安定しています。



4.増収傾向
★★★★☆
売り上げはきれいに右肩上がりで成長しています。利益もだんだん伸びています。2021/3期は減収・減益の予想ですが、他の業界と比べて影響が少な目です。



5.増配傾向
★★★★☆
連続増配の傾向があるので非常に良いです。2021/3期は配当据え置きの予想となっています。



6.配当性向
★★★★☆
2020年決算時の配当性向は25%とちょっと少な目な水準です。 配当性向は30%以上を目標としています。



7.PER
★★★☆☆
評価時点でのPERは10.44倍で割安です。PERは長期でだんだん割安感が出てきていて、最近の株価下落でさらに割安感が出ています。



8.負債/純利益率
★★★★☆
最新四季報での有利子負債は16,300百万円です。 2020/3期の純利益は8,698百万円で、利益剰余金は113,567百万円なので負債量は問題ないです。D/Eレシオは0.15倍です。
9.配当利回り
★★★☆☆
評価時点での配当利回りは2.84%です。高配当株ではありません。
10.ROE & ROA
★★☆☆☆
2020年度決算ではROEが8.1%、ROAが4.1%です。 2021年度決算予想ではROEが6.7%、ROAが3.5%です。 ROEとROAはあまり高くないですが、長期で数値が安定しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2020年度決算では営業CF=217億円、投資CF=-119億円 です。フリーキャッシュフローは長期でプラスの傾向があり良いです。キャッシュリッチなところも良いです。



12.優待
★★★★☆
株主優待は 南魚沼産コシヒカリ(新米) 5kgです。100株以上で権利があり、100株保有の場合の優待利回りざっくり1.0%くらいでしょうか。3月権利確定で10月発送とのことです。



総合評価
Cランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
インカムゲイン狙いの長期投資の評価基準に基づいたランキングです。このランキングが企業の価値を表しているわけではないので参考程度にしてください。基準が変われば評価も変わります。Dランクが悪い企業だというわけでもないので、偏見の無いようにお願いします。
コメント
良いポイントとしては、業績好調で増配の傾向が良いところです。財務優良で、配当性向も低めなので安全です。PBRとPERに割安感があります。
悪いポイントは、純利益率とROEが低めなところです。
中堅ゼネコンという立ち位置ですが、 最高水準の設備を誇る研究所を持っているのが良いと思います。 財務優良 でキャッシュリッチなので、今後もM&Aで規模を大きくする体力はあると思います。
建設業は遅効性の景気敏感性がある印象ですが、社会インフラの老朽化対策や自然災害対策などで景気後退局面でもニーズがあると思います。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショックの2009/3期では-74%の減益になりましたが赤字は避けました。配当は25円から23円の減配で、配当性向が95%に跳ね上がりました。その後すぐに業績回復しています。
景気敏感性はありますが、他の建設業のように赤字になっていません。配当性向がもともと低めなので大減配はしていません。現在は財務優良でキャッシュリッチなので、今後の景気後退局面でも大減配などは防げると思います。
まとめ
- M&Aにて規模を大きくしてきた中堅ゼネコンの銘柄
- 財務優良で業績好調
- 配当性向は低めで、増配の傾向が良い
- PERとPBRの割安感が高い
- 景気敏感性はあるが、配当の維持力がある。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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