九電工 を評価してみました。
財務優良で業績好調の電気工事の企業です。割安で配当利回りは良いですが、業績の減速感が若干あります。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
九電工 とは
1944年12月、配電線および屋内線の電気工事会社として創立。1964年には同業他社に先駆けて、空調管設備工事に業容を拡大。
その後も時代の変化に応じ、環境設備、エネルギー利用効率化、情報通信、リニューアルなど成長分野への経営多角化に取り組んできました。さらに防災システムや医療画像遠隔診断支援サービス、自然エネルギーを利用した風力・太陽光発電システム、エコロジーなど、地域社会や人々の生活に密着した事業展開を進めています。
参考:ホームページより
九州を拠点とした電気工事の企業です。関東・関西にも進出していて、東南アジアにも事業展開しています。電気工事の売り上げが順調に伸びています。 国立競技場の電気設備工事 を施工していたり、大規模プロジェクトに取り組んでいます。メガソーラーにも力を入れています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/6/4
株価 : 3,005 (基準日時点)
日経平均 : 22,695 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★☆
時価総額は2,125億円の企業で規模は大きめです。PBRは1.09倍で平均的です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は55.5%と高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★★☆☆☆
2020年度決算での当期純利益率は6.1%です。近年は6%台で安定しています。



4.増収傾向
★★★★☆
長期で右肩上がりの増収をしています。ここ5年の純利益の上昇は素晴らしいです。



5.増配傾向
★★★☆☆
2014年から増配をはじめて順調に増配を続けていましたが、今は横ばいの傾向になってきました。2021/3期の業績は未定だが、配当は据え置きの予定です。



6.配当性向
★★★★☆
2020年決算時の配当性向は27%で少なめな水準です。 30%以下で推移しています。



7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは8.06倍でかなり割安です。2018年をピークに株価はだんだん下がってきてかなり割安になってきました。



8.負債/純利益率
★★★★★
最新四季報での有利子負債は14,062百万円です。2020/3期の純利益は26,245百万円で、利益剰余金は165,716百万円なので負債量はまったく問題ないです。D/Eレシオは0.08倍です。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは3.33%です。高配当株です。
10.ROE & ROA
★★★★★
2020年度決算ではROEが14.0%、ROAが7.2%です。リーマンショック後と比べてROEとROAの数値はかなり改善しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2020年度決算では営業CF=260億円、投資CF=-112億円 です。成長感のわかる良いフリーキャッシュフローです。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、財務優良で業績が好調なところです。割安感があり、配当利回りも良いです。
悪いポイントとしては、増配がストップして横ばいになっているところです。
私の評価だとファンダメンタルはとても良いです。これまでの企業成長はとても良かったのですが、若干成長が鈍化してきている兆候が見えます。株価は右肩下がりで下がってきて配当利回りが高くなってきているので魅力的なのですがどうでしょうか。株価下落の原因としては社員の不祥事による90日営業停止が関係しているかもしれません。
近年徐々に利益率が下がってきているのは人手不足による生産性の低下などが背景にあるようです。 2020/3期決算説明資料に今後の建設業界の予想がありましたが、人手不足は今後の課題ですが、引き続き底堅い建設需要は続くようです。



リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009/3期の利益が-73%減るという影響を受けていましたが赤字にはなっていませんでした。配当性向は80%まで上がりましたが減配しないで持ちこたえました。景気敏感性はありますが、配当は減配しない傾向があるので今後の景気後退局面でも安心できそうです。配当性向も低めの傾向なので安全です。
まとめ
- 財務優良で業績が好調。
- PERが割安な高配当株。(3.3%)
- 業績に減速感があるが、配当は維持する予定。
- リーマンショック時は大きな減益があったが、配当は維持した。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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