明星工業 を評価してみました。
熱絶縁工事に強みのある建設工事会社です。財務優良で割安です。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
明星工業 とは
世界有数の断熱(保温・保冷・耐火)技術を生かして、工業設備に欠かせない熱絶縁工事を主力とする建設工事会社です。 発電所や化学プラント、LNG(液化天然ガス)関連施設等 に使われています。 断熱関連の材料・工法について研究所で研究開発をしています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/6/17
株価 : 778 (基準日時点)
日経平均 : 22,418 (基準日時点)
1.時価総額
★★☆☆☆
時価総額は441億円の企業で規模は小さめです。PBRは0.79倍でかなり割安です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は75.6%と高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。高めの数値で推移しています。



3.当期純利益率
★★☆☆☆
2020度決算での当期純利益率は8.9%です。利益率は高めで推移していますが、少し下がっている傾向もあります。



4.増収傾向
★★★★☆
売り上げは緩やかに右肩上がりの成長をしています。利益もだんだん上がってきています。



5.増配傾向
★★★☆☆
これまでの増配の傾向は良かったのですが、2021/3期では減配の予想となっています。



6.配当性向
★★★★★
2020年決算時の配当性向は33%とちょうどよい水準です。これまでも30%台で推移してきています。 配当性向30%程度、または12円の何れか高い方とすることを、利益配分の基本 方針としています。
7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは10.1倍で割安です。株価とPERの変動は少な目ですが、比較的割安圏で推移しています。



8.負債/純利益率
★★★★★
最新四季報での有利子負債は990百万円です。2020/3期の純利益は4,709百万円で、利益剰余金は42,334百万円なので負債量はまったく問題ないです。D/Eレシオは0.02倍です。
9.配当利回り
★★★☆☆
評価時点での配当利回りは2.83%です。もうちょっとで高配当株です。
10.ROE & ROA
★★★★☆
2020年度決算ではROEが9.53%、ROAが7.09%です。2021/3期予想は ROEが7.83%、ROAが5.96%です。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2020年度決算では営業CF=915百万円、投資CF=200百万円 です。変動もありますが、良いフリーキャッシュフローです。キャッシュの積み立てが多めなところが良いと思います。



12.優待
★★★☆☆
株主優待は200株保有で1,000円相当のギフトカードです。この場合の優待利回りは約0.64%です。



総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、財務状況も非常に良く、業績が安定しているところです。また、利益率がこの業種にしては比較的高めです。
悪いポイントとしては、2021/3期で減益・減配するところです。成長性がちょっと弱めかもしれません。
ファンダメンタルは非常に良く安定性はあります。2021/3期の業績予想が出ていますが、減収・減益の予想です。しかし、これはコロナウイルスの影響が考慮されていないということで、さらに下方修正される可能性もあり注意が必要です。 キャッシュはかなりあるので、配当を維持する体力はあります。コロナの影響がそれほどでなければ配当維持の可能性もあります。(希望的観測ですが)
受注高と受注残高が安定しているので業績の変動が少なく安定しているのかと思います。しかし、人件費の高騰などがあり、減益の傾向になってきています。



リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時の2009/3期は大丈夫でしたが、2010/3期でー60%の減益、2011/3期でさらに-59%の減益でした。赤字にはなっていませんでした。配当については配当据え置きで減配していませんでした。もともと配当性向が低かったので配当性向を50%程度に上げるだけで持ちこたえられました。2021/3期は減益で減配の予想となっているので、今とはちょっと傾向が違います。
まとめ
- 財務優良で業績に安定感がある。
- PBRとPERに割安感があります。
- 景気敏感性の高い建築業だが、比較的に影響少なめ?
- 2021/3期では減益・減配の予想。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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