ビーネックスグループ を評価してみました。
成長率が有力技術者派遣銘柄の中でトップです。株価は急下落して割安な高配当株になっていますが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
ビーネックスグループ とは
2020年1月にトラスト・テックからビーネックスグループ と社名を変えました。
製造に特化した人材サービス事業で、 製造系技術者派遣が高収益を上げています。海外事業(主にヨーロッパ)にも拡大していますが、まだ収益化はできていないようです。

下の表はシェアと成長率(CAGR)ですが、ビーネックス(旧トラストテック)はシェアは低いが成長率(CAGR)はトップです。 「シェアよりも収益性を重視」というのを方針に掲げています。(2019年4Q決算説明資料より)

12項目の評価
評価基準日 : 2020/3/9
株価 : 721 (基準日時点)
日経平均 : 19,755 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は584億円の企業で規模は小さいです。PBRは1.91倍です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は51.4%で高いです。
3.当期純利益率
★★☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は4.5%です。利益率は低いですが、この派遣業のセクターでは普通かと思います。毎年安定して同じくらいの利益率をキープしているので安心です。
4.増収傾向
★★★★★
すごい右肩上がりの成長です。2020年予想では少し減速する予想になっています。6年連続増収と10年連続増益です。
増収の理由はM&Aによるものもありますが、市場の大きなニーズによって成長しています。売上高は10年間で約6倍に増加ですが、営業利益は10年間で約25倍に増加と成長力がすごいです。

5.増配傾向
★★★★★
連続増配を続けていて、増配のスピードも速いです。7年連続増配です。
6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は40%です。増配をしているのに配当性向が下がるというのは利益がかなり良いということになります。リーマンショック後は配当性向が高い傾向がありました(60%~70%)。その後、業績の良さと反比例して配当性向は下がってきていて、今は安全は配当性向になっています。配当性向についての数値的目標は特に出していません。

7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは8.56倍でかなり割安です。2018年をピークに株価が下がりだしていて、現在はPERがかなり割安になっています。

8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債は3,521百万円です。2019年度決算時の純利益が3,706百万円あり、利益剰余金が7,738百万円なので、借金はほぼ無いです。D/Eレシオは0.23倍で、借金の面ではぜんぜん問題ありません。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは5.53%です。株価下落の影響で配当利回りがかなり上昇して、超高配当株になっています。
10.ROE & ROA
★★★★★
2019年度決算ではROEが25.5%、ROAが11.9%。2020年度決算予想ではROEが25.5%、ROAは13.1%です。

11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2019年度決算では営業CF=5,028百万円、投資CF=-1,430百万円です。とてもきれいなフリーキャッシュフローです。現金等がかなり積みあがっています。

12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Sランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
業績がとてもよく、成長率がとても高いです。現在、株価が急落しているため割安な高配当株になっています。
これまでの業績や株主還元は最高でしたが、問題はこれからの景気後退局面でどうなるかです。株価は2018年に2500円くらいをトップにして、現在は1/3ほどの株価になっていて、マーケットは売りの判断をしています。海外事業のヨーロッパではBREXITの影響と為替の影響をかなり受けそうですし、国内も景気の影響をかなり受けそうですので、株価に納得感はありますが実際どうでしょうか。
下のデータは人材派遣市場の売り上げのデータです。2018年をピークにリーマンショックの影響を受けていますが、思ったよりも緩やかな影響でした。売り上げのデータなので、収益とはまた違いそうです。

下は2011年度決算説明資料より持ってきたリーマンショック前後の売り上げと利益の推移です。かなり影響は受けていますが、赤字にはなっていません。利益が1/3に減っています。

やはり派遣業は景気敏感株で、景気後退局面では利益がぐっと下がる傾向がありそうです。しかし、いままでの成長率を考えると長期で見ればおすすめな銘柄になると思いますが、難しい判断です。
まとめ
- 成長率が同業他社内でNo.1。シェアよりも収益性を重視という方針。
- 株価下落により割安な高配当株に変わっている。
- 景気の影響は間違いなく受けるが、今の株価と将来性を考えると、長期投資ではおすすめ。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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