ディップ を評価してみました。
これまで評価してきた中で最高得点の銘柄でした。今後の景気後退局面での懸念もありますが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
ディップ とは
「バイトル」を基本とした各種求人情報サイトによるサービスを展開しています 。基本は求人広告掲載料を主な収入とするビジネスモデルですが、「ナースではたらこ」では 人材紹介手数料を収入とする成功報酬型のビジネスモデルになっています。
インターネットに特化した新たな求人広告としてサービスをスタートしたというのが特徴で、インターネットならではの 職場紹介動画 や 制服検索機能 や 職場環境バロメーター など、業界初の独自サービスをいろいろ提供しているのが強みで、急成長している理由だと思います。 紙媒体が主流だった求人業界では効率の良いビジネスモデルです。
また、今後の成長戦略として、AI・RPA 事業に力を入れています。少子高齢化 や働き方改革といった時代背景にあった戦略です。 AI・RPAサービス には莫大な投資がかかりますが、 すでに「コボット」 というサービスを サブスクリプションモデルとして提供しています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/3/22
株価 : 1,623 (基準日時点)
日経平均 : 16,552 (基準日時点)
1.時価総額
★★★☆☆
時価総額は1,705億円の規模です。PBRは3.29倍で割高です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は76.6%でかなり高いです。年々自己資本比率を上げています。



3.当期純利益率
★★★★★
2019年度決算での当期純利益率は21.1%です。2014年から急成長していて、高利益率をキープしています。



4.増収傾向
★★★★★
2014年から連続増収をしていて、毎年売り上げを伸ばしています。



5.増配傾向
★★★★★
連続増配中です。5年で約3倍に増配していて、すごい増配をしています。



6.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は31%と良い水準です。 長期で見ると配当性向は30%前後で安定しています。業績が良いので配当性向が固定でもどんどん増配していっています。
7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは9.26倍です。PERが40~50倍という大人気の時代もありましたが、だんだん割安になってきています。現在はコロナショックによりかなり割安になっています。



8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債はゼロです。無借金経営です。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは3.27%です。株価下落で高配当になってきています。
10.ROE & ROA
★★★★★
2019年度決算ではROEが39.6%、ROAが26.6%。2020年度決算予想ではROEが34.0%、ROAは26.1%です。ROEもROAもとても高い数値です。年々数値が下がってきていますがそれでもかなり高い数値です。



11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2019年度決算では営業CF=10,926百万円、投資CF=-6,360百万円 です。とてもきれいなフリーキャッシュフローで、きれいに成長しています。



12.優待
★★☆☆☆
株主優待は100株保有で500円相当のクオカードです。優待利回りは約0.3%です。
総合評価
Sランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
これまで70銘柄弱を評価・分析してきましたが、その中で最高得点の銘柄です。財務優良で、稼ぐ力も強く、増配傾向も高く、企業成長もしていて、配当性向も低く、割安で高配当銘柄です。競合他社の事業終了によるさらなるシェア獲得で業績絶好調です。
人材紹介業界は景気敏感株で、有効求人倍率と業績が連動しています。これまでは求人倍率が右肩上がりだっため業績も好調でしたが、景気が悪くなり求人倍率が下がるとクライアントからの広告掲載料が少なくなるので業績も悪化します。世界景気は転換点にあるので、今の業績だけ見るのではなく、マクロ経済の動向も確認して投資の判断が必要です。



しかし、この企業の業績を上げているのは有効求人倍率だけではなく、インターネットやテクノロジーを使った斬新なビジネスモデルによるところもあります。業績が急激に良くなったのが2014年頃ですが、そのころからネットでの求人サイトが紙媒体に取って代わるという業界の変化があり、その波に乗って業績を伸ばしています(下のデータ参照)。紙媒体のコストがかからないので効率が良いビジネスモデルです。



景気後退局面での業績悪化は懸念材料ではありますが、その際には AI ・RPA事業が伸びそうな予感があります。 AI・RPA は今後のテーマであり、この企業が力を入れているところです(下のデータ参照)。今後の日本はこういう業態にどんどんシフトせざるを得ないと思うので、 景気後退局面でも成長のチャンスのある銘柄です。 AI・RPA は近未来という感じがしますが、すでに「コボット」 というサービスを実装済みで、実績もあります。



まとめ
- これまで評価した中で最高得点の銘柄。
- 景気後退局面で有効求人倍率が下がった場合には業績が悪化する懸念あり。
- AI ・RPA事業に力を入れていて、新たな成長の可能性を持っている。
- 時代に合ったビジネスモデルを持っていて、長期では成長を期待できるので長期保有にはおすすめ。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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