アウトソーシング を評価してみました。
業績が急成長している銘柄ですが、株価は急下落しています。現在、割安な高配当株になっていますが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
アウトソーシング とは
アウトソーシングという名前からわかるように人材派遣の企業です。環境変化の激しい派遣環境において、ニーズの変化に応じた経営と事業展開をしてきました。景気後退局面の懸念から派遣ニーズの鈍化がみられますが、ITや建設業、サービス業においては依然強いニーズがあります。
景気後退局面においては、業績の平準化に向けて様々な施策を打っています。海外展開や、景気の景況を受けにくい業種への派遣ポートフォリオを増やしています。”ボラティリティの高い製造アウトソーシングの営業利益構成比率は、グループ全体の10%以下を達成”というのが景気後退局面において良いと思います。
「派遣2.0」推進ということで、人を出すだけの従来型の派遣とは違う付加価値があると思います。RPAやAIといったITテクノロジーを使った独自性に強みがあります。
12項目の評価
評価基準日 : 2020/3/7
株価 : 741 (基準日時点)
日経平均 : 20,749 (基準日時点)
1.時価総額
★★★☆☆
時価総額は1,535億円の企業で規模は大きめです。PBRは1.53倍です。
2.自己資本比率
★☆☆☆☆
自己資本比率は24%で低いです。新中期経営計画では自己資本比率を30%以上に上げるという目標を出しています。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は2.5%です。利益率は低いですが、この派遣業のセクターでは普通かと思います。毎年安定して同じくらいの利益率をキープしているので安心です。
4.増収傾向
★★★★★
すさまじい売り上げの成長です。M&Aによる増収もありそうですが、売り上げは順調に伸ばしています。

5.増配傾向
★★★★☆
累進配当で緩やかに増配しています。業績もよく配当性向の方針もあるので、今後の増配も期待できます。
6.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は34%です。中期経営計画では30%以上を目標としています。
7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは8.33倍でかなり割安です。もともとはPERも株価も高かったのですが、株価急落でPERが割安になっています。

8.負債/純利益率
★★☆☆☆
2019年決算時の有利子負債は62,222百万円です。2019年度決算時の純利益が9,095百万円あり、利益剰余金が20,585百万円なので、借金は少し多めです。D/Eレシオは1.17倍で、そこまで悪くありません。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは3.64%です。株価下落の影響で配当利回りがかなり上昇しています。
10.ROE & ROA
★★★★☆
2019年度決算ではROEが19.2%、ROAが4.2%。2020年度決算予想ではROEが16.5%、ROAは4.0%です。中期経営計画ではROEを25%以上という目標があり、過去には達成できていた年もあります。ROEは結構上下しています。

11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=225億円、投資CF=-85億円です。投資CFがでかい年がありますが、これはM&Aのためです。それを考慮すると悪くないフリーキャッシュフローです。現金等を順調に増やしていっているのも良いです。

12.優待
★★★★★
株主優待は100株保有で1000円のQUOカードです。優待利回りは約1.3%です。 総合利回りは約4.9%です。
総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
業績がとてもよく、今後も増収増益が計画されています。株価が急落していて、割安な高配当株になっています。優待もあり、総合利回りは約4.9%です。
なぜ業績が良いのに株価が下がっているかということですが、派遣業というのがかなりの景気敏感株だということかと思います。これは過去の傾向から言えますが、景気が悪くなると派遣をまず切って正規社員を維持しようとします。景気後退局面では派遣業は売り込まれる傾向があると思います。
アウトソーシングも景気後退局面でダメージを受けると思いますが、景気の影響を受けにくい派遣事業ポートフォリオに移行していたり、景気の影響も考慮して中期経営計画を出している点を考えると、予想業績以上に売り込まれていて割安と判断もできるかもしれません。
配当狙いの長期投資家に対しては、高配当で累進配当の傾向のあるアウトソーシングはおすすめだと思います。景気が回復するまでは株価は低いかもしれませんが、引き続き配当を期待できるなら株価が下がっているときが買い時かもしれません。
まとめ
- 業績がとてもよく、規模がどんどん拡大していっている。
- 株価下落により割安な高配当株に変わっている。 総合利回りは約4.9%
- 景気の影響を受けにくいポートフォリオにシフトしているのが今後どうなるか
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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