ワールドホールディングスを評価してみました。
製造派遣・請負が主力ですが、不動産ビジネスや情報通信ビジネスも手掛けている企業です。割安な高配当株ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
ワールドホールディングスとは
売上高構成比率で55%を占める人材・教育システムでは”ものづくり”に関連する製造派遣・請負を行っています。不動産のビジネスは36%を占めて、売り上げを拡大してきています。他にも情報通信ビジネスなどもあり、多角化経営をしています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/11/12
株価 : 2,005 (基準日時点)
日経平均 : 25,520 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は313億円の企業で規模はかなり小さいです。PBRは1.39倍です。
2.自己資本比率
★★☆☆☆
自己資本比率は32.4%と平均的な数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。自己資本比率は徐々に改善してきています。



参考:マネックス証券より
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019度決算での当期純利益率は2.1%です。利益率はかなり低めですが、長期では徐々に改善傾向があります。



4.増収傾向
★★★★☆
売り上げは長期で右肩上がりで成長しているので良い傾向です。利益も一緒に上昇しています。2019期は減収・減益でしたが、次の決算では回復する見込みです。



5.増配傾向
★★★★☆
業績と連動した配当の出し方で、2019年期は減益だったので減配となっています。2020年期では増配の予想です。



6.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は30%とちょうど良い水準です。配当性向は30%で固定していて、業績と連動した配当の出し方になっているので、業績からの配当を見やすいです。
7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは7倍でかなり割安な水準です。2018年前半をピークに株価は下がってきていてPERも同じく下がってきています。かなり割安だと思います。



8.負債/純利益率
★☆☆☆☆
最新四季報での有利子負債は34,100百万円です。 2020/3期の純利益は2,956百万円で、利益剰余金は22,632百万円なので負債量はかなり多めな印象です。D/Eレシオは1.35倍で、ネットDEレシオは0.7倍です。キャッシュが多めなので、ネットD/Eで言えばセーフです。全体として改善してきているのは良い傾向です。



9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは4.92%です。かなり高配当株です。長期で高配当株の銘柄です。



10.ROE & ROA
★★★★★
2019年度決算ではROEが13.5%、ROAが3.4%です。 2020年度決算予想ではROEが19.8%、ROAが6.4%です。 ROEは変動が大きめですが、全体的に高めで推移しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2019年度決算では営業CF=2,708百万円、投資CF=-2,489百万円 です。フリーキャッシュフローはマイナスの年が多く、安定していない傾向です。キャッシュの積み立てが増えてきているのは良い傾向です。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Cランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
インカムゲイン狙いの長期投資の評価基準に基づいたランキングです。このランキングが企業の価値を表しているわけではないので参考程度にしてください。基準が変われば評価も変わります。Dランクが悪い企業だというわけでもないので、偏見の無いようにお願いします。
コメント
良いポイントとしては、長期での増収・増益の傾向が良いところです。それに合わせて増配もしてきています。かなり割安感の高い高配当株です。ROEが高く稼ぐ力があります。
悪いポイントは、負債量が多く財務状況が少し悪めです。(かなり改善はしてきています。) フリーキャッシュフローが安定していないのが少し気になります。
他の派遣関連銘柄と比べて負債が多いですが、これは不動産ビジネスの影響だと思います。フリーキャッシュフローの傾向も同じだと思います。多角化経営をしているのが他の派遣関連銘柄との違いです。
株価は右肩下がりの傾向があり、これは他の派遣関連銘柄と似ています。景気後退懸念から売られているのかもしれません。
かなり割安な高配当株なので魅力的です。増配傾向も良いので、長期保有向けに良いかもしれません。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時には人材ビジネスのセグメントでダメージがあったということでしたが、他のセグメントで支えられたとあります。派遣関連銘柄はリーマンショック時に赤字になっている傾向があったので、この銘柄のこの傾向は安心ポイントだと思います。逆に不動産ショックの際にはリスクがありそうです。



まとめ
- 製造派遣・請負が主力で不動産ビジネスも行い多角化経営
- ものづくり関連の一貫サービスに強みあり
- かなり割安な高配当株
- 配当性向は30%固定で業績連動。増配傾向は良い
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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