双日 を評価してみました。
成長感のある総合商社株です。配当性向は良く、配当利回りも非常に高いですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。 総合商社銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
双日 とは
7大総合商社のひとつです。5大総合商社という場合は外れます。9つのセグメントがあり、利益の大きいのが金属・資源のセグメントです。総合商社唯一の炭鉱操業機能をもっていて、レアメタルの日本輸入がトップクラスです。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/15
株価 : 250 (基準日時点)
日経平均 : 19,521 (基準日時点)
1.PBR
★★★★☆
評価時点でのPBRは0.53倍で割安です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PBRは0.7倍です。
2.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは4.65倍で割安です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PERは5.5倍です。 株価は上がっていて、PERは下がっているのでいい傾向です。

3.増益傾向
★★★★☆
当期利益は順調に増加しています。2012/3期に若干の若干の赤字をだしています。 2012/3期 は”繰延税金資産の取り崩しにより赤字決算 ”ということで、業績の悪化によるものではないので気にしなくても大丈夫そうです。

4.増配傾向
★★★☆☆
連続増配ではないですが、減配しない累進配当の傾向です。5年で約3倍に増配しています。(リーマンショック時は減配しました)

5.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は3.8%です。長期での平均ではだいたい1%前後でかなり少ないです。

6.ROE
★★★★☆
2019年度決算ではROEが11.7%、2020年度決算予想ではROEが10.9%です。ROEは年々上がってきています。中期経営計画ではROE10%以上という数値目標になっています。

7.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は30.1%でちょうどいい水準です。配当性向が低めで安定して増配しているのでいい傾向です。 中期経営計画では配当性向の目安は30%前後となっています。

8.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは6.75%です。超高配当株です。
9.負債/純利益率
☆☆☆☆☆
2019年決算時の有利子負債は883,095百万円で、純利益が70,419百万円です。負債が純利益の12.5倍あり、かなり多いです。
10.D/Eレシオ
★☆☆☆☆
D/Eレシオは1.45倍です(四季報ベース)。 総合商社7銘柄の平均D/Eレシオはだいたい1.16倍なので相対的に多い印象です。現金も入れたネットD/Eレシオでは0.98倍なので、1倍は何とか切っています。 中期経営計画では ネットD/Eレシオを1.5倍以下としています。
リーマンショック後にはネットD/Eレシオ 約2.1倍あったので、それを考えるとかなり改善しています。

11.流動比率
★★★★★
最新決算短信での流動比率は153%です。 総合商社7銘柄の平均は142%なので、良いほうです。
12.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=964億円、投資CF=-422億円 です。フリーキャッシュフローは安定していて、キャッシュの積み立てがすごいです。

総合評価
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、業績が良くて毎年増益になっているところです。また、配当性向が低めで安定していて、増配の傾向が良いです。配当利回りも6%以上とかなり高いです。
悪いポイントとしては、純利益率が低めなのと、借金が多すぎるところです。7大商社の中で借金に対する指標が一番悪かったです。
IR資料には総合商社No.1の成長率と書いてあります。他の総合商社は年によって業績が上下していますが、双日の純利益はきれいに右肩上がりで成長しています。

次の決算が出ないとわかりませんが、 石油価格暴落時に影響を受けにくい事業のポートフォリオのように思います。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009年に純利益がマイナス70%減りました。黒字は確保していますが、2010年も苦戦していました。その後は順調に成長して、毎年増益のような業績になっています。
業績の良くなかった2009年と2010年ではそれぞれ減配しています。その後、累進配当の傾向になっていて、赤字を出した2012年では配当据え置きで減配しませんでした。(赤字の原因は業績ではないので配当には影響はでなかった。)
また、2015年の石油価格暴落時は業績に影響はでていませんでした。
重要: 総合商社銘柄は高配当で魅力的ですが、現在は重要な転換点にいると思うので、次の決算をよくよく確認してから判断したほうが安全だと思います。
まとめ
- 成長感のある総合商社株。
- 配当性向は問題なく、利回り6%越えの超高配当株。
- 他の商社より借金が多い傾向にあるが、改善してきている。
- 過去の傾向から景気後退局面では減配の可能性もある。
- 過去の傾向から石油価格暴落による業績の影響は少なそう。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
7大総合商社を比較したまとめ記事はこちら↓↓↓
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