積水化学工業 を評価してみました。
セキスイハイムと高機能プラスチックの企業です。業績の安定性が高いですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
積水化学工業 とは
住宅、環境・ライフライン、高機能樹脂が3本柱の企業です。積水化学工業はプラスチックの会社として1947年に創業して、「セロハンテープ」や「ポリバケツ」が当時の代表製品です。 1960年にハウス事業部を分社化し積水ハウス株式会社を設立しました。 その後、1970年代に多角化事業のなかで、ユニット工法住宅「セキスイハイム」が生まれました。
グループビジョンにある「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の事業領域において、3つのカンパニー(事業体)とコーポレートで事業を展開しています。 中期経営計画では、それぞれの技術や強みを“融合”させることで、社会的価値を創出し、持続可能な社会の実現を目指しています。
参考:ホームページより

12項目の評価
評価基準日 : 2020/3/25
株価 : 1,410 (基準日時点)
日経平均 : 19,546 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は8,076億円の企業で規模はかなり大きいです。PBRは1.06倍で平均的です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は55%で割と高いです。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は5.8%です。だんだん利益率が上がってきています。数値的には少し低めですが、安定成長です。

4.増収傾向
★★★☆☆
大きな減収はないですが、ほぼ横ばいという感じです。売り上げは同じですが、利益を増やしている(収益率を上げている)というところが良いと思います。

5.増配傾向
★★★★★
9年連続増配中です。

6.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は31%と理想的な数値です。 毎年の配当性向は30%前後で安定しています。配当性向30%目途という方針があります。リーマンショック時には配当性向500%越えになっています。

7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは9.83倍で割安です。コロナショックのリバウンドがありますが、それでもまだ割安です。

8.負債/純利益率
★★★★☆
2019年決算時の有利子負債は119,147百万円です。2019年度決算の純利益が66,093百万円で、利益剰余金が414,256百万円なので、借金は多くないです。D/Eレシオも0.19なので問題なしです。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは3.26%です。株価下落で高配当になってきています。
10.ROE & ROA
★★★★☆
2019年度決算ではROEが11.1%、ROAが6.5%。2020年度決算予想ではROEが10.5%、ROAは5.8%です。悪くない数値です。長期で安定しています。中期経営計画ではROE12%以上を目標にしています。

11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2019年度決算では営業CF=852億円、投資CF=-625億円 です。フリーキャッシュフローが平均的にプラスで推移しているので良いキャッシュフローです。

12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
財務優良で、安定している企業です。売り上げの成長感はないですが、収益性を上げて利益率を上げてきています。それにより、安定した配当性向で安定した増配を実現しています。安いときに仕入れることができれば、インカムゲイン狙いの長期投資家におすすめです。
独自性の高い「ユニット工法」を持つセキスイハイム(住宅セクター)に強みがあると思います。工場でほとんどを作ってから敷地で組み立てるという工法ですが、品質の高さに定評があります。ブロックで住宅を作るので耐震性が非常に高いです。最新技術もいろいろ取り入れられていて魅力的です。着工数では日本第2位で、売り上げでは第6位の実力です。親戚会社の積水ハウスもランキング上位です。ハウスメーカは低金利政策による追い風もありますが、消費税増税の向かい風もあり、今後の動向はわかりずらいところもあるので注意が必要です。

リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
2008年度(2019/3期)には営業利益率が下がって純利益はギリギリ黒字で着地していています。2008年度(2019/3期) は配当を減配しました。(前年15円→10円)。また、配当性向は500%を超えました。その次の年(2010年度)からは業績回復し配当性向45%になり、さらに次の年(2011年度)からは安定した配当性向の中で増配を始めています。
これらの状況から景気後退局面では減配の可能性もあります。無配になる可能性は少なそうです。現在は営業利益率が8%台で推移していて、以前よりは高収益になっているので配当据え置きで耐えられそうでもありますが、なんとも言えません。

まとめ
- 財務優良で業績が安定している。連続増配していて、配当性向も安定している。
- 高機能プラスチック事業は景気敏感性が高そう。
- ハウスメーカのセキスイハイムには強みがあると思う。
- 次の景気後退局面では大幅な減配はなさそう。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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