アルプス技研を評価してみました。
技術者派遣の大手企業です。増収傾向と増配傾向が非常に良いです。高配当で魅力的ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
アルプス技研とは
正社員技術者の派遣大手です。専門的な知識やスキルを持つ高度技術者集団とのことで、機械、電気・電子、ソフト、化学など各技術分野に精通した一流のエンジニアたちを正社員として雇用しています。日本のものづくりを支えていますが、自動車関連の売り上げが一番大きいです。半導体向けに需要が強く、5G関連などで成長しています。

12項目の評価
評価基準日 : 2021/3/5
株価 : 2,001 (基準日時点)
日経平均 : 28,356 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は512億円の企業で規模は小さめです。PBRは3.22倍で少し割高です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は57.4%とかなり高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。自己資本比率は高めで推移しています。



参考:マネックス証券より
3.当期純利益率
★★★☆☆
2019度決算での当期純利益率は8.0%です。利益率はだんだん上昇してきて8%前後で推移しています。



4.増収傾向
★★★★☆
売り上げはリーマンショック後から長期で右肩上がりで成長しています。利益も同様に上昇しています。2020/12期は若干減益となりましたが、2021/12期はまた増収の予定です。



5.増配傾向
★★★★☆
増配傾向は非常に良いです。2018/12期は記念配が入っているので、実質連続増配です。2021/12期は配当据え置きの予定です。



6.配当性向
★★★☆☆
2019年決算時の配当性向は50.2%と少し多め目な水準です。配当性向50%を指標としています。配当性向を上げて増配しているわけではなく、配当性向固定でも増配しているので良いと思います。



7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは13.39倍で割安です。株価は横ばいですが、業績が良いのでPERは割安になってきています。



8.負債/純利益率
★★★★★
最新四季報での有利子負債は1,140百万円です。直近の決算の純利益は2,908百万円で、利益剰余金は11,131百万円です。D/Eレシオは0.10で、ネットD/Eレシオは-0.49です。負債量は全く問題ないと思います。



9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは3.75%です。高配当株です。



10.ROE & ROA
★★★★★
2019年度決算ではROEが25.6%、ROAが14.9%です。 2020年度決算予想ではROEが24.6%、ROAが14.1%です。 ROEとROAはかなり高く、稼ぐ力が高いです。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
最新四季報では営業CF=3,109百万円、投資CF=-264百万円 です。プラスのフリーキャッシュフローで安定していて、キャッシュ積み立ても良いので非常によいキャッシュフローです。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
インカムゲイン狙いの長期投資の評価基準に基づいたランキングです。このランキングが企業の価値を表しているわけではないので参考程度にしてください。基準が変われば評価も変わります。Dランクが悪い企業だというわけでもないので、偏見の無いようにお願いします。
コメント
良いポイントとしては、業績の成長感が強く、それに伴った増配傾向が良いところです。
悪いポイントは、特にないですが、しいて言えば配当性向が少し高めです。
稼ぐ力が強く、成長感があるので魅力的な銘柄です。技術者派遣銘柄は魅力的な銘柄が多いです。好調な半導体/医療系/ソフト開発のシェアが増加しているので、今後も成長が期待できます。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は業績が低迷しました。派遣切りがあったので仕方が無いですが、そこから強烈に成長しています。リーマンショック時は一切リストラを行わずに技術者の雇用を維持したとのことで、不況時でも企業に体力があります。
配当性向が固定なので、業績が悪いとき(EPSが下がった時)は減配となる可能性があります。業績に関わらず最低配当が10円とあるので、どんな赤字でも無配にはならなそうです。
また、コロナでの影響はかなり少なそうで、引き続きの成長が期待できそうです。



まとめ
- 業績好調で、増収傾向と増配傾向が良い。
- 配当性向は50%固定で高配当利回り。
- 稼ぐ力は強いが割安感がある。
- 景気敏感性はあるが、財務優良で企業に体力がある。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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