日本空調サービス を評価してみました。
建物設備の施工・メンテナンスで好業績な銘柄です。高配当ですが、長期投資対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
日本空調サービス とは
当社グループは、建物設備のメンテナンス・維持管理、設備・環境診断、ソリューション提案を行うサービス部門を中核に、リニューアル工事を主体とする設備工事部門を併せ持つ、建物設備のトータルサポート企業です。中核事業のメンテナンスサービスで培った技術力を生かし、お客様の立場に立ったきめ細かなサービスを提供します。
参考:決算説明資料より
空調以外にも電気設備や病院の設備なども扱っています。国内では全都道府県に進出して取引を拡大しています。中国や東南アジアに進出していますが、日系製造工場を主要顧客とした新たな市場開拓も行っています。
専門性の高い”特殊な環境を有する施設”の比率が高いというのがライバルへの参入障壁を上げていて、ビジネスモデルの強みだと思います。

また、売り上げの約半分が年間契約ということで、ストックビジネスとして安定性が高いです。設備管理は途中で契約を止めることができないので、工場や病院が潰れない限りは安定した収入が期待できます。



12項目の評価
評価基準日 : 2020/1/30
株価 : 775 (基準日時点)
日経平均 : 23,013(基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は281億円の企業です。 規模はかなり小さいです。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は53.8%で高いです。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算では3.9%です。利益率は悪いですが、率は毎年安定しています。
下のチャートは営業利益率ですが、とても安定しています。(注意:当期純利益率のチャートではない)



4.増収傾向
★★★★★
大きな急成長はないですが、順調に右肩上がりで増収しています。



5.増配傾向
★★★★☆
ずっと増配していましたが、2020年決算では1円の減配の予想です。長期での傾向はとても良いです。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は50.8%です。 中期経営計画では50%を目標としています。それ以前は配当性向は30%前後で、業績が悪くても減配をせずに配当を維持するという方針 (累進配当) でした。
今の方針だと配当性向基準なので業績によっては減配はあり得るとおもいます。実際、2020年決算予想では減配になりますが、これは方針によるものなのであまり心配していません。
7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは14.85倍で平均よりは若干割安です。PERの傾向は安定しています。



8.負債/純利益率
★★★★☆
2019年決算時の有利子負債は1,933百万円で、純利益の1,792百万円と比較して余裕があります。利益剰余金が13,789百万円あるので心配はいらないと思います。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは3.23%です。高配当株です。
10.ROE & ROA
★★★☆☆
2019年度決算ではROEが10.8%、ROAが5.3%。2020年度決算予想ではROEが10.4%、ROAは5.6%です。中期経営計画でのROE10%以上維持というのは達成しています。ROEは競合他社と比較して高いです。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2019年度決算では営業CF=2,655百万円、投資CF=-127百万円。フリーキャッシュフローはとてもよく、キャッシュも積み立あがってとても良いです。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Cランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
順調に成長している良い銘柄だと思います。収入の約半分は年間契約によるストック収入で、また特殊な設備のシェアを持っているのでビジネスモデルが強いです。海外進出も理にかなった戦略だと思います。
難点としては利益率が低いことです。業界的には平均的で毎年の利益率に変動がなく安心ですが、もう少し利益率がないと長期投資でのリターンが薄くなるという懸念もあります。しかし、この業績の安定性を見れば心配しすぎかもしれません。
配当性向率重視での配当なので、業績によっては減配の可能性があります。長期投資においては減配しない企業のほうが魅力的です。これまでの業績をみれば一時的な減配があっても長期では増配傾向にあるので安心です。



歴史の長い企業ですが、各経済危機を経験しても赤字は出していません。これは景気に強いビジネスモデルだといえると思います。経済危機の際は製造業等の工場建設が控えめになると思いますが、ストック収入があるので安心です。
まとめ
- 売り上げの約半分が年間契約のストック収入で安定。
- 財務良好で安定業績な高配当株。
- 経済危機に影響を受けにくいビジネスモデルで長期保有も安心。
- 利益率が低いのが気になるが、業界では平均的で、長期で安定しているので心配ない?
- 配当性向は業績連動型で、2020年度決算では減配するかも。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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