日本ハウズイングを評価してみました。
マンション管理の大手企業です。増収傾向と増配傾向が非常に良いです。配当利回りは平均的ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
日本ハウズイングとは
マンション管理の大手企業です。主力のマンション管理事業のほかに営繕工事業(建築物の新築、増築、修繕及び模様替えなどの工事)も売り上げが大きいです。独立系管理会社で、どこよりも多種多様なタイプのマンションを管理しています。半世紀以上にわたり培ってきた幅広い経験やノウハウなど、総合力の高さが強みです。日本全国に展開していて、海外ではベトナム、台湾、シンガポールに展開しています。

12項目の評価
評価基準日 : 2021/3/25
株価 : 3,695 (基準日時点)
日経平均 : 28,729 (基準日時点)
1.時価総額
★★☆☆☆
時価総額は610億円の企業で規模は小さめです。PBRは1.77倍です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は59.6%とかなり高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。自己資本比率は高めで推移しています。



参考:マネックス証券より
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2020度決算での当期純利益率は3.5%です。利益率は3%前後で推移しています。利益率は低いですが安定しています。



4.増収傾向
★★★★☆
リーマンショック後から売り上げも利益も右肩上がりで成長しています。2021/3期予想では減収・減益の予定です。



5.増配傾向
★★★★★
長期で連続増配しています。2021/3期も増配の予定です。



6.配当性向
★★★★☆
2020年決算時の配当性向は28%と少し多め目な水準です。30%前後で安定して推移しています。



7.PER
★★★☆☆
評価時点でのPERは15.84倍で平均的です。株価もPERも横ばいです。



8.負債/純利益率
★★★★★
最新四季報での有利子負債は3,685百万円です。直近の決算の純利益は4,075百万円で、利益剰余金は29,417百万円です。D/Eレシオは0.11で、ネットD/Eレシオは-0.44です。負債量は全く問題ないと思います。



9.配当利回り
★★☆☆☆
評価時点での配当利回りは2.06%です。平均的な配当利回りです。



10.ROE & ROA
★★★★★
2020年度決算ではROEが13.1%、ROAが7.3%です。 2020年度決算予想ではROEが11.2%、ROAが6.7%です。 ROEは13%前後で推移しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
最新四季報では営業CF=4,904百万円、投資CF=17百万円 です。プラスのフリーキャッシュフローで長期で安定していて、キャッシュ積み立ても良いので非常によいキャッシュフローです。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Cランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
インカムゲイン狙いの長期投資の評価基準に基づいたランキングです。このランキングが企業の価値を表しているわけではないので参考程度にしてください。基準が変われば評価も変わります。Dランクが悪い企業だというわけでもないので、偏見の無いようにお願いします。
コメント
良いポイントとしては、業績の安定感が強く、連続増配の傾向が良いところです。
悪いポイントは、純利益率が少し少な目で配当利回りが高くないところです。
安定的に右肩上がりで成長している企業です。新型コロナウイルスの影響により営繕工事業が減収・減益となっていて、全体の業績に影響を与えています。しかし、2021/3期は増配の予定です。配当性向が低いので安定して増配を続けられそうです。割安感はなく配当利回りは平均的なので、安くなったタイミングで仕入れたい銘柄です。
マンションの受託管理戸数がどんどん増えてきています。業界的に、今後の安定成長を期待できます。



リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時の2009/3期は赤字でした。内訳としては、事業撤退の特別損出が大きかったのですが、業績の影響はそこまで多くありませんでした。基本的にはストック収入なので業績に安定感があり、景気敏感性はそこまで高くないのかなと思います。



まとめ
- 長期で増収していて業績好調です。
- 連続増配を長期で続けていますが配当性向は低めです。
- 配当利回りは平均的。
- 景気敏感性はあるが、財務優良で企業に体力がある。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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