日本ヒューム を評価してみました。
高配当株で、かつ、バリュー株です。財務良好で配当性向も安全です。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
日本ヒューム とは
コンクリート製品であるヒューム管を日本で初めて製造した企業で、ヒューム管のトップシェアです。 「総合コンクリート、主義」を掲げ、ヒューム管・パイル・マンホールをはじめとしたさまざまなコンクリート製品を扱っています。自然災害の多い日本での課題解決に向けた製品・施工法の開発に積極的に取り組んでいます。
都市浸水対策製品(雨水対策製品)の需要が増えていたり、下水道管やマンホールなどの都市インフラの更新需要、⽼朽化を背景とした全国的な⾼速道路の大規模更新・修繕計画などが成長戦略です。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/13
株価 : 561 (基準日時点)
日経平均 : 19,043 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は200億円の企業で規模はかなり小さいです。PBRは0.42倍でかなり割安です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は67%とかなり高いです。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は5.4%です。平均的には5%台です。



4.増収傾向
★★☆☆☆
減収もしていて安定していませんが、全体的には緩やかな右肩上がりです。



5.増配傾向
★★★★☆
緩やかに増配しています。2020/3期も増配予想です。累進配当の傾向で、わかる範囲では2005年から減配していませんでした。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は21.7%でちょっとすくなめな水準です。配当性向は長期で見ても30%以下で少なめです。リーマンショックを含め16年減配していません。累進配当の傾向です。



7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは7.23倍で割安です。PERは長期で低めに推移しています。



8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債は936百万円です。直近の決算の純利益が2,053百万円で、利益剰余金が24,328百万円なので、心配ないです。D/Eレシオは0.03なので安全です。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは3.39%です。高配当株です。
10.ROE & ROA
★☆☆☆☆
2019年度決算ではROEが6.6%、ROAが4.2%。2020年度決算予想ではROEが5.7%、ROAは3.9%です。ROEが数値は低いですが、割と安定しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2019年度決算では営業CF=3793百万円、投資CF=-950百万円 です。フリーキャッシュフローは良い傾向で、キャッシュの積み立ても良いかんじです。2015/3の投資は”持分法による投資損益”ということで、グループ企業の株式を追加取得した投資です。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、財務が優良で、高配当だが配当性向が低めというところです。PBRとPERがかなり割安です。PBRは0.42倍とかなりのバリュー株です。累進配当の傾向で約15年以上減配していないのが安心です。
悪いポイントとしては、利益率やROEなどからそれほど稼ぐ力は強くないところと、業績が横ばいで強い成長性は見えないところです。
全体評価は低いですが、業績に安定感があり、配当の傾向が良いので長期保有に検討できると思います。 都市浸水対策製品(雨水対策製品)の需要が増えているということで、自然災害の多い日本においてこれからも底堅い需要がありそうなので注目しました。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は売り上げで約マイナス20%ほどの影響でした。純利益率では約マイナス50%でしたが、次の決算からは割と回復しています。インフラに関係する事業なので、景気後退期には業績の悪化はありますが、景気敏感株ほどは影響しません。また、長期で累進配当の傾向なので、リーマンショック時も減配はしませんでした。一番悪いときには配当性向が50%近くに行きましたが、基本は30%以下で配当に安定感があります。
まとめ
- 好財務な高配当株。配当性向には問題ない。
- 割安感の強いバリュー株。 PBRは0.42倍
- 都市浸水対策製品(雨水対策製品)などの成長戦略が良い。
- 景気後退局面での影響は少なそう。累進配当の傾向なので、減配の懸念は少ない。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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