TONE(とね) を評価してみました。
プロフェッショナル工具を販売している企業です。業績がとても良いですが、増配の傾向は無いです。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
TONE (とね) とは
弊社は、創立以来、プロフェッショナルの皆様に愛されるものづくりを推進し、「締結」に関する課題解決を通じて「満足」「感動」「価値」を提供してまいりました。プロ用作業工具から、トルク管理機器、ボルト締結機器へとフィールドを広げ、さらにそれらの強みを融合したボルティング機器という新分野も開拓しております。
参考:ホームページの会社概要より
品質の高いプロフェッショナル工具を日本と海外に展開している企業です。モータスポーツなどにも使われる工具なので、レーサーサポートやレース協賛などを積極的に展開しています。
12項目の評価
評価基準日 : 2020/6/1
株価 : 2,389 (基準日時点)
日経平均 : 22,062 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は56.8億円の企業で規模は小さめです。PBRは0.72倍でかなり割安です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は82.9%とかなり高い数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★★★☆☆
2019年度決算での当期純利益率は14.2%です。純利益率は高めで安定しています。

4.増収傾向
★★★★★
9年連続増収しています。利益も一緒に増加しているので良いです。リーマンショック時は減収していました。



5.増配傾向
★☆☆☆☆
配当は横ばいで増配していません。時々記念配で増配していますが、基本的に横ばいです。



6.配当性向
★★★☆☆
2019年決算時の配当性向は14%でかなり少ない水準です。配当性向は低めで推移しています。
7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは7.15倍でかなり割安な水準です。株価は長期で上昇しています。PERは長期で割安で推移しています。



8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債は67百万円です。2019/5期決算での純利益は878百万円で、利益剰余金は6,007百万円なので問題無いです。ほぼ無借金経営です。
9.配当利回り
★★★☆☆
評価時点での配当利回りは2.51%です。
10.ROE & ROA
★★★★★
2019年度決算ではROEが14.3%、ROAが11.1%。2020年度決算予想ではROEが11.3%、ROAは9.5%です。ROEとROAは高めで推移しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2019年度決算では営業CF=787百万円、投資CF=787百万円 です。投資もしっかりしていて、比較的安定的なフリーキャッシュフローです。



12.優待
★★★★☆
株主優待は200株以上保有で 5,000円相当の自社グループ製品 になります。優待利回りは約1.1%です。
総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、財務優良で連続増収しているところです。PERとPBRがかなり割安水準です。利益率とROEなどの数値が良いです。
悪いポイントとしては、配当性向が低いけど増配をしていないところです。
小型ですが業績がかなり良い企業です。しかし配当が増えていません。もし増配傾向が見えてきたらかなり良い銘柄です。増配傾向以外のファンダメンタルはとても良いです。
割安になっている理由としては、もともと景気敏感株なのでこの局面で買いが控えられているのかもしれません。配当性向がとても低いため、赤字にならない限りは配当維持ができそうです。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009/5期と2010/5期で2年連続赤字となりました。それにより2年連続で大減配しています。景気後退局面では企業の設備投資が抑制されるためTONEの工具の売り上げに大きく影響しました。よって景気後退局面での影響はかなり大きい銘柄のようです。
5月決算なのでまだ本決算は見えていませんが、業種的にはコロナウイルスの影響をあまり受けなさそうです。米中貿易摩擦などが激化するとかなり業績に影響が出そうな銘柄です。
まとめ
- 財務優良で業績の良い小型株。
- 純利益率はROEが高く、稼ぐ力が強い。
- 増配傾向が無いのが長期保有には懸念材料。
- リーマンショック時にはかなり影響の受けていた景気敏感株。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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