コマツ を評価してみました。
建設機械で日本トップ、世界2位の企業です。超高配当株ですが長期投資対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
コマツ とは
建設機械が事業売り上げの9割を占めますが、ショベルやブルドーザーなど多種多様の機械を販売しています。全世界展開をしていて、海外比率が87%ということでかなり高いです。建設機械を売るだけではなく、ITを使った建設機械の自動化や遠隔操作などもソリューションと提供しているのが強みです。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/2/2
株価 : 2,433 (基準日時点)
日経平均 : 23,205(基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は25,374億円の企業で規模はかなり大きいです。日経225の銘柄です。PBRは1.3倍で割安になっています。
2.自己資本比率
★★★☆☆
自己資本比率は49.2%です。良い比率です。
3.当期純利益率
★★★☆☆
2019年度決算では9.41%です。全業種でみると利益率は普通ですが、機械のセクターだと考えると高めな利益率です。
4.増収傾向
★★☆☆☆
ぎくしゃくしていますが、長期目線では増収傾向です。世界経済が好調なので伸びてきていましたが、2020年度決済では米中貿易摩擦の影響をかなり受けそうです。



5.増配傾向
★★★☆☆
2018年度から増配を始めていて、2期連続増配です。2020年度決算では減益の予想ですが、配当据え置きの予想になっています。長期で減配していないというのがポイントが高いと思います。累進配当の傾向になっています。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は40.5%です。 これまでの配当性向の傾向は40%前後でした。2020年度決算で配当据え置きの予想なので、配当性向は60%に近くいきそうです。会社の配当方針は40%以上です。
7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは12.94倍で割安です。株価とPERはこれまで高かったのですが、米中貿易摩擦による悪材料続出により株価が下がってPERも下がっています。企業の強さ考えたらかなり割安になってきていると思います。



8.負債/純利益率
★★★☆☆
2019年決算時の有利子負債は951,378百万円で、直近の当期純利益の256,491百万円と比べるとちょっと多めな印象です。
有利子負債のほとんどがリテールファイナンス事業ですが、財務健全性を示すネットD/Eレシオは下のチャートの通りでとても低いので問題のない借金だと言えると思います。(リテールファイナンス事業単品のネットD/Eレシオは3倍台ですが、経営目標で5倍以下といういのがありこちらも問題なさそうです。)



9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは4.46%で超高配当株です。悪材料による株価下落により配当利回りが上昇しています。
10.ROE & ROA
★★★★★
2019年度決算ではROEが14.7%、ROAが7%。2020年度決算予想ではROEが10.1%、ROAは4.9%です。中期経営計画ではROEが10%以上を目標にしています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2019年度決算では営業CF=2,025億円、投資CF=-1,872億円です。2018年にフリーキャッシュフローがマイナスなのはジョイ・グローバル社の買収のための投資です。 それを抜けば全体的にプラスで安定的なキャッシュフローかと思います。



12.優待
★☆☆☆☆
株主優待は非売品オリジナルミニチュアです。優待の条件が300株以上保有、かつ、保有期間が3年以上ということでかなり条件が厳しいです。おまけ程度という感じですが、意外とコマツの投資家(orファン)の方にはお金に換えられない価値になっているかもしれません。



総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
米中貿易摩擦の影響を受けて直近の業績が下がっていたりする関係でこのブログでの評価は低くなっていますが、基本的には超安定な優良企業です。地域別の売り上げを見ると、中国の割合は7%ほどで、米中貿易摩擦だけでこれだけ影響を受けるのだなという感想を持ちました。いったん米中貿易摩擦は安定していますが、今後悪化する場合はどうでしょうか。



リーマンショック時に赤字になっていないという実績があるので、もしこれから米中貿易摩擦が悪化しても持ちこたえる体力は持っていそうです。
現在、株価はなかり割安になっています。企業としての稼ぐ力はあるので、それを考えると長期投資対象として今が買い時かもしれません。累進配当の方針なので、よっぽどのことがなければこの高配当を維持できると思います。
まとめ
- 米中貿易摩擦の影響を受けて減益になっているが優良銘柄であるのは間違いなさそう。
- 株価が下がって超高配当株になっている。これまでの業績を考えると割安と判断できそう。
- リーマンショックを耐えた実績があり長期保有に安心。
- 景気敏感株なので米中貿易摩擦の動向を気にする必要がある。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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