ブラザー工業を評価してみました。
印刷機やミシンに強みのある企業です。業績に安定感があり高配当株です。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
ブラザー工業とは
複合印刷機のブラザーです。その他にもさまざまな代表製品を持っていて、産業用ミシン・家庭用ミシン、JOYSOUNDなどのカラオケシステムも扱っていてセグメントが多角化しています。 ミシンの修理業から始まり、創業100年以上の老舗です。
海外売り上げ比率が80%のグローバル企業です。生産拠点は中国をメインに東南アジアにも増やしています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/8/1
株価 : 1,634 (基準日時点)
日経平均 : 21,710 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は5,538億円の企業で規模はかなり大きいです。PBRは0.99倍です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は58.6%と高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★★☆☆☆
2020度決算での当期純利益率は7.8%です。最近は7%前後で利益率は安定しています。



4.増収傾向
★☆☆☆☆
業績は横ばいの傾向です。利益は長期では上がっていますが成長感がちょっと弱めです。創業100年以上の長い視点でみると右肩上がりで成長しています。



5.増配傾向
★★★☆☆
ここ数年の増配の傾向はとても良いです。2020/3期は配当据え置きで、2021/3期は配当未定です。



6.配当性向
★★★★★
2020年決算時の配当性向は31%とちょうど良い水準です。 「配当性向35%を目標」という会社方針ですが、これまでは30%前後で安定して推移しています。



7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは10.11倍で割安です。株価もPERも下がっていて割安になっています。



8.負債/純利益率
★★★★☆
最新四季報での有利子負債は107,011百万円です。 2020/3期の純利益は49,566百万円で、利益剰余金は491,803百万円なので負債量はまったく問題ないです。D/Eレシオは0.25倍です。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは3.67%です。高配当株です。
10.ROE & ROA
★★★★☆
2020年度決算ではROEが11.6%、ROAが6.8%です。 2021年度決算予想ではROEが9.8%、ROAが5.7%です。 ROEは横ばいの傾向ですが、10%以上で推移していて良いです。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2020年度決算では営業CF=877億円、投資CF=-279億円 です。フリーキャッシュフローはプラスで安定しています。



12.優待
☆☆☆☆☆
株主優待はありません。
総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
インカムゲイン狙いの長期投資の評価基準に基づいたランキングです。このランキングが企業の価値を表しているわけではないので参考程度にしてください。基準が変われば評価も変わります。Dランクが悪い企業だというわけでもないので、偏見の無いようにお願いします。
コメント
良いポイントとしては、規模が大きく業績が安定してるところです。配当性向も安定していて、増配傾向も良いです。
悪いポイントは、業績が横ばいで成長感が見えないところです。
高配当株な巨大企業です。業績の成長感はないですが、業績安定しています。この業種としては比較的利益率が高いと思います。また、高配当で株主還元に積極的なので長期投資家には魅力的です。
ペーパーレスの時代が来ているので、印刷機は厳しいと思っていたのですが、コロナの影響による在宅勤務でプリンターが意外と売れたようです。
セグメントが多角化していて、成長領域でのビジネスモデルも拡大しています。歴史のある企業で、新事業を増やしてどんどん規模を拡大してきた実績もあるので、長期投資にはオススメできるかと思います。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時の2009/3期はー44%の減益となりましたが黒字確保しています。配当は26円から18円に減配しましたが、配当性向は45%でまだ大丈夫でした。この年以外は基本的に累進配当の傾向があるので、配当維持力があると思います。セグメントが多角化していて、景気敏感性が高いのはマシナリー事業(産業機器など)なので、全体的に安定感があります。
まとめ
- 印刷機やミシンに強みのある銘柄
- 規模が大きくセグメントが多角化しているので、業績に安定感がある
- 2021/3期は業績未定で、配当も未定
- 配当性向は低いが高配当株
- リーマンショック時では業績の影響は少な目だった
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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