新晃工業 を評価してみました。
セントラル空調機器の企業です。稼ぐ力があり、配当の傾向が良いです。配当利回りは低めですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
新晃工業 とは
セントラル空調機器の分野で国内トップメーカーとして業界をリードしています。 高層ビルや病院、学校、食品の製造工場やハイテク産業を支えるクリーンルームなど、様々な建物に必要不可欠な空調を販売しています。BtoBでセントラル空調機器をオーダーメイドで設計し、製造・販売・サービス・メンテナンスまで一貫して対応しています。

国内でトップシェアをとっているというのと、オーダーメイドという独自の対応力が強みです。



12項目の評価
評価基準日 : 2020/6/8
株価 : 1,508 (基準日時点)
日経平均 : 23,178 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は423億円の企業で規模は小さめです。PBRは0.89倍で割安です。
2.自己資本比率
★★★★★
最新四季報での自己資本比率は65.9%と高めな数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。自己資本比率は高めで安定していて、だんだん数値が良くなっています。



3.当期純利益率
★★★★☆
2020年度決算での当期純利益率は13.5%です。利益率は右肩上がりです。機械のセクターとしてはかなり高い利益率です。



4.増収傾向
★★★☆☆
業績は長期で右肩上がりです。2020/3期では創業以来の最高益を達成しています。



5.増配傾向
★★★★☆
連続増配をしています。2021/3期は配当未定です。2004年から16年減配していない累進配当の傾向を続けています。



6.配当性向
★★★★☆
2020年決算時の配当性向は25%と少し少なめな水準です。 30%以下で安定して推移してきています。



7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは13.0倍で割安です。業績は良いですが株価が下がっているのでPERは割安になってきています。



8.負債/純利益率
★★★★★
最新四季報での有利子負債は2,140百万円です。2020/3期の純利益は5,996百万円で、利益剰余金は31,241百万円なので負債量はまったく問題ないです。D/Eレシオは0.05倍です。
9.配当利回り
★☆☆☆☆
評価時点での配当利回りは1.99%です。高配当株とは言えない利回りです。
10.ROE & ROA
★★★★★
2020年度決算ではROEが14.3%、ROAが9.4%です。ROEは高い数値で安定しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2020年度決算では営業CF=7,244百万円、投資CF=-3,633百万円 です。 非常にきれいなキャッシュフローです。フリーキャッシュフローが安定していて、キャッシュ量も多くなってきています。



12.優待
★★★★☆
株主優待は100株保有で1,000円の図書カードです。また、長期保有でオリジナルカタログギフトがもらえます。図書カードだけの優待利回りで0.66%で、カタログギフトも入れるとかなりの優待利回りになります。



総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、純利益率とROEなどの稼ぐ力が強いところです。増配の傾向が良く、増配を続けています。16年も累進配当を維持しています。
悪いポイントとしては、配当利回りが低いところで、高配当株ではないです。
高配当株ではないですが、稼ぐ力と増配の傾向を見たときに長期保有におすすめできます。優待も長期保有で内容が良くなり、総合利回りではかなり魅力的です。
コロナ影響下でも過去最高益を達成しています。建設需要と相関のある業績になると思いますが、 東京オリンピックに伴う再開発や都市圏の大型案件などの需要に支えられ、良好な事業環境で推移しています。
新築案件は今後の景気後退期を考えると需要は減少傾向にありそうですが、更新需要であるアフターサービス市場拡大は今後かなり成長していくようです。



リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009/3期で+21%の増益、2010/3期でー50%の減益、2011/3期は+9%の増益と、影響は受けているが影響は少なめです。配当は据え置きで累進配当の傾向を維持しています。 2010/3期の配当性向は31%でした。景気敏感性は少ないと言えると思います。
まとめ
- 純利益率とROEの稼ぐ力はかなり高い。
- 16年減配していない累進配当で、配当性向も30%以下を維持。
- 更新需要であるアフターサービス市場で底堅い需要を今後も見込める。
- リーマンショック時の影響は軽微だった。
- 配当利回りは低いが、優待が良いので長期保有におすすめ。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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