FPG を評価してみました。
日本型オペレーティング・リースという他とは違うリース方式で NO.1シェア を持っている銘柄です。超高配当になっていますが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。リース銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
FPG とは
”日本型オペレーティング・リース”という特殊スキームを使ったリースアレンジメント事業 が約9割で、他に多角化事業として保険事業や不動産事業なども持っています。リース銘柄と同じで航空機や大型船舶やコンテナのリースを行っているのですが、これをパッケージにして会計事務所を通して企業オーナーなどに販売しているのが他のリース銘柄と違うところです。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/3/5
株価 : 855 (基準日時点)
日経平均 : 21,275 (基準日時点)
1.増収傾向
★★★★★
売り上げの成長がすごいです。 2020年予想で売上高が前期より減少しているのは、前期に計上した不動産の1棟販売を今期は見込まないためです。 10期連続の増収です。

2.増益傾向
★★★★★
利益も成長もすばらしいです(上のチャート参照)。
2019年度決算での当期純利益率は37%で、総合リース銘柄が5%前後の純利益率だというのを考えると圧倒的に高い利益率です。 日本型オペレーティング・リース というのが稼ぐ力のあるすごいビジネスモデルなのだと思います。

3.増配傾向
★★★★★
7年連続増配です。5年で配当が2倍以上になっているので、増配のスピードも速くすごい株主還元です。配当性向が安定している中でどんどん増配しているので、稼ぐ力による増配ということになります。(配当性向を釣り上げて増配しているように見せかけているのではない)

4.配当性向
★★★☆☆
2019年決算時の配当性向は46.9%です。リース銘柄の中ではかなり高い配当性向です。
配当性向についての方針はなく、その代わり DOE を株主還元の指標として使っていて、DOE15%以上を目指すとのことです。日本の上場企業の平均が2%前後なので、圧倒的に高い株主還元です。 (DOE=ROE×配当性向)
5.PBR
☆☆☆☆☆
PBRは2.31倍です。基本的にPBRの低いリース銘柄のなかではかなり高いPBRです。リース銘柄内では異常な高さですが、他の銘柄ではよくあるPBRのレベルなのでそこまで問題でもないです。時価総額は1,080億円の企業です。
6.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは7.5倍です。リース銘柄はPERは低い傾向がありますが、その中では普通な数値です。
7.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは7.03%です。圧倒的な超高配当です。
8.ROE
★★★★★
2019年度決算ではROEが32.3%、ROAが8%。2020年度決算予想ではROEが30.8%、ROAは8.0%。ROEは少し下がり傾向ですが、30%越えのROEというのはそうそうない高い数値です。

9.有利子負債/営業資産残高(%)
★★★★★
2019年決算時の有利子負債は76,085百万円です。それに対し営業資産残高は684,700百万円あります。 比率でいうと11%で、リース銘柄の中で見るとかなり低い数値で、負債にたいする安全性が高いです。「預かり資産残高」ということで、総合リース会社のいう「営業資産残高」とはもしかすると違うかもしれませんが、内容的に営業資産残高に相当する項目だと思い、ここの計算に使っています。

10.D/Eレシオ
★★★★★
2019年度決算でのD/Eレシオは2.3倍です。現金も入れたネットD/Eレシオでは1.8倍なので、借金はちょっと多いですがそれほど心配なさそうです。総合リース銘柄と同じく資産を積み立てる営業方法なので借金が多いのは仕方がないですが、総合リース銘柄と比べると全然低いD/Eレシオで問題ないです。
11.流動比率(%)
★☆☆☆☆
流動比率は147%で低めな数値でした。
12.優待
★☆☆☆☆
株主優待は UCギフトカード です。500株以上からと敷居が高いです。また、優待利回りはかなり低いです。長期保有での優遇もあります。配当利回りが高いので、優待はおまけになると思います。

総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
総合リース銘柄と同じ評価基準で比べていいのかわかりませんが、総合リース銘柄と同じ特徴もありつつ、全然違う面もありました。 ”リースアレンジメント” ということで、実際にリースをしている子会社がいるので、厳密にはリース銘柄ではないかもしれません。
配当利回りが7%と見たときは高配当株にありがちな罠銘柄かと思いましたが、ファンダメンタルとみるとそうではありませんでした。ものすごい稼ぐ力とものすごい還元方針をもつ銘柄で配当利回りが高いのも納得な内容でした。これだけの稼ぐ力があるのにPERが7.5倍とかなり割安なのが高配当利回りにさせている別の要因だと思います。コロナウイルスによる下落(2020/2/6評価)でさらに割安になっているのもあるので、通常の配当利回りの実力は5%強くらいだと思います。
”日本型オペレーティング・リース”という ビジネスモデルが大成功しているのかと思いますが、この市場はどんどん拡大を続けていて、かつ、シェアNo.1をとっているのが将来性がありとても魅力です。
こんな魅力的な銘柄が割安で放置されているのはおそらく景気敏感性がとても高いためだと思われます。顧客層を考えると景気が良いときに顧客がどっと増えるイメージなので、総合リース企業よりもさらに一段と景気敏感性が高そうです。

まとめ
- 素晴らしいビジネスモデルで、高利益率により稼ぐ力が強い。
- 成長し続けている市場でシェアNo.1の実力と実績。
- 借金は多めだが、ビジネスモデルによるものなので、心配はなさそう。
- 割安で放置されている超高配当株
- 景気敏感性が高そうなビジネスモデル
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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