全国保証 を評価してみました。
住宅ローンの保証というビジネスモデルでかなりの利益を上げている企業です。長期投資対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
全国保証 とは
住宅ローンの保証とは、住宅ローンを組む時の連帯保証人的役割を引き受けてくれることで、その対価として保証料をもらうというビジネスです。一昔前は借金をするときには連帯保証人が必要で、 連帯保証人になったことで不幸になった方もたくさんいたと思います。今は基本保証会社が保証してくれるということで時代は変わりました。
全国保障の強みは独立系というところです。金融機関は子会社などで保証会社を持っているところが多いですが、全国保障は親会社に属さずに全国的にサービスを提供することができ、独立系で日本トップになっています。また、住宅ローンがストック収入であるように保証料もストック収入になるので、長期で安定した収入を期待できるビジネスモデルになっているのが強みです。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/2/1
株価 : 4,715 (基準日時点)
日経平均 : 23,205(基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は3,023億円の企業で規模はかなり大きいです。
2.自己資本比率
★★★☆☆
自己資本比率は40%です。平均的かと思います。
3.当期純利益率
★★★★★
2019年度決算では55.9%です。利益率がとてつもなく高いです。
4.増収傾向
★★★★★
順調に右肩上がりで増収しています。利益もちゃんとついてきていて好業績です。



5.増配傾向
★★★★★
7期連続増配をしていて、今後も増配をしていく計画です。業績連動型なので減配の可能性もありますが、これまでの好業績を考えると今後も増配していきそうです。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は24.8%です。 純利益率50%以上を考えるともっと出してもいい気もします。内部留保確保のために配当性向は25%前後という配当方針です。
7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは12.7倍で割安です。PERの傾向は安定していますが、だんだん割安になってきています。



8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債はゼロで、無借金経営です。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは1.91%です。高配当株ではありませんが、これまでの増配傾向をみていると長期保有にはよさそうです。
10.ROE & ROA
★★★☆☆
2019年度決算ではROEが20.6%、ROAが7.5%。2020年度決算予想ではROEが19.6%、ROAは7.8%です。中期経営計画ではROEを15%以上という目標があり、すでに達成しています。
11.フリーキャッシュフロー
★☆☆☆☆
2019年度決算では営業CF=328億円、投資CF=-341億円。今期はマイナスです。キャッシュフローは安定していませんが、プラスの傾向はあって、現金も積みあがっています。



12.優待
★★★☆☆
株主優待はクオカードで、優待利回りは0.6%くらいです。長期保有で優待内容がグレードアップします。



総合評価
Sランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
純利益率50%超えというのはすごいと思います。マイナス金利政策による住宅ローンの低金利や、政府による中古・リフォーム住宅を倍増させる計画というのが契約数の後押しになっているようです。まさにイケイケどんどんという感じです。
配当利回りは1.9%ということで高配当株ではないですが、好業績と連続増配を考えると長期保有に向いている銘柄だと思います。キャピタルゲインも増えそうな銘柄です。
このビジネスモデルが崩れるのは住宅ローン返済ができなくなった契約者が増えた場合です。その場合、金融機関に代位弁済(連帯保証人がお金を返すイメージ)の額が増えるため業績を圧迫することになります。そのため、保証会社は内部留保を高めたり、保証債務残高(今後保証料として入ってくる収入)のバランスを考えないといけません。もちろん、それらの状況はよくよく分析され、会社の経営に盛り込まれているので基本は問題ありませんが、爆発的に代位弁済額が増えると経営の危機になります。 下のチャートを見るとわかりますが、保証債務残高に比べて代位弁済が低いので、現時点では住宅ローンを返せなくなった人の割合は少なく、それが利益率50%以上の理由かと思います。



気になるのは住宅ローン破産というものが増えてきたことです。住宅ローン破産とは、今後も終身雇用が続くことを前提として背伸びしすぎたローンを組んだことにより、何かのはずみに計画が狂った際にローンが返せなくなることです。終身雇用が崩れだし、中年リストラがトレンドになりつつある中で、住宅ローン破産も社会問題になってくる可能性があります。
しかし、それらのことも盛り込み済みの経営をしているので気にしすぎかもしれませんが、これらの動向を気にしつつ長期投資する必要がありそうです。
まとめ
- 利益率が50%以上というすごいストックビジネス。
- 配当利回りはまだ低い(1.9%)ですが、連続増配をしているので長期保有におすすめ。
- 株主優待も長期保有で優待内容がグレードアップする。
- 住宅ローン破産が今後増えてくるかを注意する。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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