キヤノン を評価してみました。
キヤノンといえばカメラですが、高配当株としても有名な本銘柄は長期投資の対象としてはどうか評価しました。
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
キヤノン とは
カメラのイメージが強いですが、オフィス向けの複合プリンタなどの販売がメインです。他にも医療関係(MRI、CTスキャン)や露光装置などの産業機器も扱っています。
スマホのカメラ性能向上やペーパーレス化の流れがあり、複合機・レーザープリンター・カメラなどが大きく減収しているようです。既存事業に少し陰りが見えています。 米中貿易戦争の影響もかなり受けているようです。

グローバル優良企業グループ構想という戦略があり、今後の成長に対しての転換をはかっているようです。新規事業に積極的で、M&Aで新規事業の拡大をはかっています。



12項目の評価
評価基準日 : 2019/12/2
株価 : 3,047 (基準日時点)
日経平均 : 23,375(基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は36,411億円で大規模なグローバル企業です。 日経225の銘柄です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は56.2%で高めです。
3.純利益率
★☆☆☆☆
2018年度決算では約6.3%で少なめです。製造業としては平均的な数値ですがそれでも少ないです。
4.増収傾向
★★☆☆☆
ここ数年は収益が安定していません。下がったり上がったりです。
5.増配傾向
★☆☆☆☆
増配はほとんどしていません。2017年度決算で業績が良かった時に10円増配の160円になりましたが、基本的に増配していません。
6.配当性向
★★☆☆☆
配当性向は2018年決算で約68%です。平均的に70%くらいの配当性向で、業績が悪い時は100%近くに行きます。2019年決算予想と2020年決算予想でも100%近くに行くようです。
7.PER
★★☆☆☆
評価時点でのPERは23.06倍で割高です。割高な理由としては、高配当なので人気があるためだと思います。
8.負債/純利益率
★★★★☆
2018年決算時の有利子負債は434,265百万円です。純利益の約1.7倍ほどで負債は多くありません。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは5.27%で超高配当株です。これがキヤノンの人気の秘訣です。
10.ROE & ROA
★★☆☆☆
2018年度決算ではROEが8.9%、ROAが5.2%。2019年度決算予想はROEが5.9%、ROAは3.3%。悪くなってきています。
11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2018年度決算では営業CF=3,652億万円、投資CF=-1,956億円。フリーキャッシュフローは割と良いです。
12.優待
☆☆☆☆☆
優待はありません。
総合評価・まとめ
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後の定期的なチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
高配当株で人気なキヤノンですが長期投資対象としてはリスキーです。理由は、配当性向が100%前後なので、いつ減配になるかわからないからです。これまでぎりぎりのバランスを保っていましたが、ちょっとした経済危機で崩れる可能性があるため長期では不安です。中期では超高配当なため検討できると思います。
それ以外の懸念として主力製品の不調が心配です。カメラや産業プリンターなどが減収減益になっていますが、外部要因(米中貿易戦争など)が影響しているようなので、これらの環境が良くなってくると業績を増やしていける可能性もあります。もともと技術力のある強い企業だと思いますので。
超高配当なので魅力的な銘柄でもありますが、ファンダメンタルも見つつ、慎重に購入を考える必要がありそうです。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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