伊藤忠商事 を評価してみました。
総合商社No.1の実力です。稼ぐ力が強く、借金が少ない傾向ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。 総合商社銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
伊藤忠商事 とは
7大総合商社のひとつです。8つのセグメントがあり、安定性の高い非資源分野に強みを持っています。非資源分野 No.1、連結純利益 No.1、 就職人気企業ランキング No.1、 と7大商社のトップに君臨していると言っても過言ではないかと思います。ユニークなところではドールのバナナを扱っています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/15
株価 : 2,104 (基準日時点)
日経平均 : 19,521 (基準日時点)
1.PBR
★★☆☆☆
評価時点でのPBRは1.06倍です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PBRは0.7倍です。人気があるためか、他の商社株よりPBRは比較的高いです。
2.PER
★★★☆☆
評価時点でのPERは6.31倍で割安です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PERは5.5倍です。 株価は順調に上がっていて、コロナショックでもそこまで下がっていません。

3.増益傾向
★★★☆☆
年によって利益が上下しますが、長期で見ると右肩上がりです。

4.増配傾向
★★★★★
5年連続増配で、2020/3期も増配の予定です。

5.当期純利益率
★★☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は4.3%です。長期での平均ではだいたい6%前後で総合商社の中ではかなり高めの利益率です。

6.ROE
★★★★★
2019年度決算ではROEが17.9%、2020年度決算予想ではROEが16.3%です。ROEは長期の平均ではだいたい16%くらいでかなり高いです。

下のチャートは他の商社と比較したROEのデータです。伊藤忠商事が他商社と大きく差を出しています。他の商社は2015年の石油価格暴落の影響を受けていますが、 伊藤忠商事 はそこまで影響を受けていません。非資源の割合が高いというのが影響しているようです。

7.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は25.6%で少し少なめな水準です。長期的には徐々に30%まで上げていく方針です。配当性向が低めで安定していて、増配しているのでいい傾向です。

8.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは4.01%です。超高配当株です。
9.負債/純利益率
★★★★☆
2019年決算時の有利子負債は2,944,352百万円で、純利益が500,523百万円です。負債が純利益の5.9倍あり、他の業種と比べると多いですが、総合商社内で比べると格段に少ないです。
10.D/Eレシオ
★★★★☆
D/Eレシオは0.96倍です(四季報ベース)。 総合商社7銘柄の平均D/Eレシオはだいたい1.16倍なので相対的に少ないです。現金も入れたネットD/Eレシオでは0.77倍です。
最大で13.7倍あったネットD/Eレシオは改善されて、財務状況はかなり良くなっています。

11.流動比率
★★★★☆
最新決算短信での流動比率は131%です。 総合商社7銘柄の平均は142%なので、相対的に少なめです。
12.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2019年度決算では営業CF=4,765億円、投資CF=2,011億円 です。フリーキャッシュフローの傾向は良いです。

総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、利益率やROEがとても良いところです。借金に関係する指標が他の総合商社より全然良いです。また、増益の傾向がとても良いです。
悪いポイントとしては、人気があるためかPBRがほかより高めで、配当利回りも他より低めです。
トータルシェアホルダーリターンという指標ではNo.1です。基本的にはインカムゲイン投資家の目線での評価項目になっていますが、キャピタルゲインも考えても伊藤忠商事が No.1 ということみたいです。

リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009年に純利益がマイナス16%減りました。ほとんど影響を受けていません。また、2015年の石油価格暴落時は業績にもあまり影響はでていませんでした。2010/3期と2013/3期に若干の減配をしていますが、大減配や無配ではないので問題ないです。
やはり非資源分野に強みを持っているというのが安全性が高いのかと思います。今後の景気後退懸念や石油価格暴落時でも他の商社よりディフェンシブ性がありそうです。
重要: 総合商社銘柄は高配当で魅力的ですが、現在は重要な転換点にいると思うので、次の決算をよくよく確認してから判断したほうが安全だと思います。
まとめ
- 総合商社No.1の実力。
- 人気があり、他の商社と比べてPBRは高く配当利回りは低い。
- 非資源分野に強みがある。
- 負債の指標が他の商社と比べてよい。(借金がすくない)
- 過去の傾向から景気後退局面では減配の可能性はある。(影響少な目)
- 過去の傾向から石油価格暴落による業績の影響は少なそう。(非資源が効いている)
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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