丸紅 を評価してみました。
配当利回りが6.9%とすごい高配当株です。赤字の下方修正がでましたが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。 総合商社銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
丸紅 とは
7大総合商社のひとつです。14つの事業、4つのグループで構成されています。穀物、発電で商社首位です。金属の事業の売り上げが一番高いです。コーヒー豆の日本輸入で3割のシェアを持っていたりと、穀物トレードに特徴があります。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/15
株価 : 497 (基準日時点)
日経平均 : 19,521 (基準日時点)
1.PBR
★★★★☆
評価時点でのPBRは0.51倍です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PBRは0.66倍です。
2.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは4.5倍で割安です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PERは5.65倍です。本当は減益発表があり赤字なのでPERの数値はないのですが、他商社銘柄と公平に評価するため、減益発表前の数値を使用しました。(他の総合商社も今後の減配発表でPERがガラッと変わるので同水準で比較した)
株価はそれほど変わりませんが、PERが少しづつ下がってきています。コロナショックで一気に株価もPERも下がりました。

3.増益傾向
★★★☆☆
利益は安定していませんが、ここ数年は右肩上がりでした。しかし、2020/3期では大きく赤字になる予定です。

4.増配傾向
★★★★☆
4年連続増配で、2020/3期も増配の予定でしたが、赤字なのでどうなるでしょうか。

5.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は3.1%です。長期での平均ではだいたい1.5%前後でかなり低めの利益率です。

6.ROE
★★★★★
2019年度決算ではROEが13.9%、2020年度決算予想ではROEがマイナスです。ROEは長期の平均ではだいたい10%くらいで比較的高いです。 方針では最低水準として10%以上と設定しています。

7.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は26.0%で少し少なめな水準です。 中期経営戦略 では 25%以上を目安にしています。
8.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは6.97%です。超高配当株です。
9.負債/純利益率
☆☆☆☆☆
2019年決算時の有利子負債は2,352,525百万円で、純利益が230,891百万円です。負債が純利益の11倍あり、かなり多いです。
10.D/Eレシオ
★★★☆☆
D/Eレシオは1.18倍です(四季報ベース)。 総合商社7銘柄の平均D/Eレシオはだいたい1.16倍なので相対的に少ないです。現金も入れたネットD/Eレシオでは0.92倍です。経営戦略 では ネットD/Eレシオ を0.7倍程度まで下げることを目指しています。

11.流動比率
★★★☆☆
最新決算短信での流動比率は126%です。 総合商社7銘柄の平均は142%なので、相対的に少なめです。
12.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=2,848億円、投資CF=225億円 です。フリーキャッシュフローは長期ではプラスの年が半分、マイナスの年が半分という感じです。最近はプラスで安定しています。

総合評価
Cランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、PERもPBRも割安です。ROEも比較的高めです。配当利回りは6.9%もあります。
悪いポイントとしては、借金が多いのと、純利益率が低いことです。
12個の評価項目でいうと他の総合商社と比べて平均点という感じでした。他の商社に先駆けて大きな下方修正を出したので注目されました。 適時情報等では”一過性損失”と表現しています。コロナウイルスの影響と原油価格下落の影響だそうです。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009年に純利益が若干減りました。それほど影響を受けていません。2015年の石油価格暴落時は業績には影響は受けましたが、赤字にはなりませんでした。
他の商社がリーマンショック時や2015年の石油価格暴落で赤字を出していないので、安心できると思いきや、2020/3期は大赤字の予想です。今のところ、2020/3期は赤字でも配当は出すようです。本当に”一過性”の問題だといいのですが、長引く場合は大減配や無配も考えられます。

重要: 総合商社銘柄は高配当で魅力的ですが、現在は重要な転換点にいると思うので、次の決算をよくよく確認してから判断したほうが安全だと思います。
まとめ
- 割安でROEが高く、配当利回りがとても高い。
- 借金は多めだが、ネットD/Eレシオの改善に取り組んでいる。
- 業績と連動した配当の出し方になっている。
- よって今後の業績によっては減配も考えられる。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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