長瀬産業 を評価してみました。
割安感の高い連続増配している銘柄です。優待内容も良い高配当株ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
長瀬産業 とは
化学を基盤として生活の幅広い分野を支える商材を取り扱っています。商社でありながら製造・加工・研究開発の機能を有し、常に時代の先を読むことで柔軟に事業の転換を果たしてきました。現在も食品素材事業の強化、またAIを利用した化学領域の新規素材探索システム開発などを推進し、ビジネス領域を拡大し続けています。
参考:トップメッセージより
1832年京都で創業した化学系専門商社です。 さまざまな事業を持っていて、従来の商社機能以外では、研究開発機能と製造加工機能の融合によりユニークで付加価値の高いビジネスを展開しています。”商社からビジネスをデザインするNAGASEへ”という中期経営計画でのスローガンからわかるように、事業の多角化を進めています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/7
株価 : 1,256 (基準日時点)
日経平均 : 18,950 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★☆
時価総額は1,721億円の企業です。PBRは0.5倍でかなり割安です。創業1832年の歴史の長い企業です。
2.自己資本比率
★★★☆☆
自己資本比率は49.4%でわりと高いです。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。下のチャートはB/Sの推移ですが、自己資本比率は安定しています。(他の項目もほとんど変化ないです)



3.当期純利益率
☆☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は2.5%です。利益率は低いですが、長期で1~2%で安定しています。



4.増収傾向
★★★☆☆
微妙に減収の年もありますが、長期で見ると右肩上がりで増収しています。



5.増配傾向
★★★★★
9年連続増配中で、2020/3期も増配予想です。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は26%でちょっと少なめな水準です。配当性向は平均して30%前後で推移しています。安定して増配しています。配当性向よりも増配を重視している傾向です。



7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは9.74倍で割安です。長期ではだんだん割安になってきています。



8.負債/純利益率
★☆☆☆☆
2019年決算時の有利子負債は135,486百万円で、直近の純利益が20,136百万円なので借金が多めです。利益剰余金が254,030百万円で、D/Eレシオが0.43なので余裕はあります。
9.配当利回り
★★★★☆
評価時点での配当利回りは3.5%です。高配当株です。
10.ROE & ROA
☆☆☆☆☆
2019年度決算ではROEが6.6%、ROAが3.5%。2020年度決算予想ではROEが5.1%、ROAは2.5%です。ROEとROAはすこし低めですが、長期の安定感はあります。中期経営計画ではROE 6.0%以上 を目標にしています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=173億円、投資CF=-73億円 です。長期ではプラスを維持しているフリーキャッシュフローです。2012年度に大きな投資をしていますが、バイオ関連事業の強化として、 バイオ関連企業の林原に総額700億円の拠出をして100%子会社化しました。



12.優待
★★★★★
株主優待は100株以上保有で 1,500円相当 のカタログギフトになります。優待利回りは約1.1%ほどです。長期保有により優待内容がグレードアップします。



総合評価
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
借金が多く、稼ぐ力が少し弱めですが、長期で連続増配している高配当株です。 借金が多いといってもそれをカバーできる資本やキャッシュフローがあるので問題はなさそうです。 株主優待に長期優遇があるので、高配当と合わせた長期保有におすすめです。 配当に対する安定感が強く配当性向も低いので、長期で安定した配当を期待できます。また、PBRとPERの割安感がとても高いです。
5Gや自動運転などの最新の技術にも投資をしています。M&Aも積極的に行っていて、たくさんのグループ会社とシナジー効果を生んでいます。
創業200年に向けた堅実経営が良いと思います。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時の影響は少なかったです。2019年決算では純利益率で40%の業績悪化をしていまが、配当性向を55%に上げて、わずかな減配でやり過ごしています。その後、業績もすぐに戻って増配をスタートしています。
よって、それほど景気後退局面では心配がなさそうですが、多角化経営と海外比率が高めというところが投資判断として難しいところです。
まとめ
- 優待も良い高配当株。長期で増配している。割安感が高い。
- 借金が多めで稼ぐ力もそれほど高くないですが、安定感の強い企業です。
- リーマンショック時もそれほど影響を受けていないので、景気後退局面も含めた長期保有でもおすすめ。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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