三菱商事を評価してみました。
高配当で大人気の三菱商事ですが、長期投資の対象としてはどうか評価しました。
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
三菱商事 とは
10個のセグメントを持つ、超巨大企業です。 資源関係(ガス・石油・金属)のインフラ開発をして、それを使った産業開発をしています。スケールが段違いにでかく、海外拠点数が173、関連会社が約1500、連結従業員が約80,000名となっています。ホームページでは、海洋に石油切削拠点を開発している写真や動画が目につくように配置しています。
12項目の評価
評価基準日 : 2019/12/4
株価 : 2,909 (基準日時点)
日経平均 : 23,294(基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は40,356億で大規模なグローバル企業です。 日経225の銘柄です。
2.自己資本比率
★★☆☆☆
自己資本比率は31.3%で低めです。
3.純利益率
☆☆☆☆☆
2019年度決算では約3.7%でかなり少なめです。商社としては普通かもしれませんが、全業種で比較すると少ないです。
4.増収傾向
★★★☆☆
2015~2017年は減収でしたが、その後は増収しています。2020年以降も増収していく計画になっています。
5.増配傾向
★★★★☆
2016年の決算で赤字を出した時に少し減配していますが、割と増配傾向が高めです。
6.配当性向
★★★★★
配当性向は2019年決算で約33%です。これまでも30%前後で推移しています。
7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは8.45倍で割安です。商社株は平均して割安なのですが、この魅力的な高配当に対してこの割安度は人気の秘訣かと思います。
8.負債/純利益率
☆☆☆☆☆
2019年決算時の有利子負債は5,262,007百万円でとても多いです。純利益の約9倍ほどなので負債が多すぎる印象です。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは4.54%で超高配当株です。人気の秘訣です。
10.ROE & ROA
★★☆☆☆
2019年度決算ではROEが10.7%、ROAが3.6%。2020年度決算予想はROEが10.9%、ROAは3.4%。ROEもROAもちょっと低いです。
11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=6,526億万円、投資CF=-2,736億円。フリーキャッシュフローは割と良いです。
12.優待
☆☆☆☆☆
優待はありません。
総合評価・まとめ
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後の定期的なチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
業種によっていろいろ特色が違うのはわかりますが、私の評価フォーマットに当てはめると三菱商事の評価はとても低く出ました。
短い期間(3~5年)で見ると増収・増配していて一見良いように見えますが、長い期間(10年)で見ると業績が安定してないように見えます。右肩下がりではないですが、横ばいという感じです。一度2016年決算で赤字を計上しているのが気になります。
IR資料を見ていると”投融資レバレッジ”というのが最初のほうで説明されているので、財務状況のポイントになっているようです。負債(投資)はでかいですが、それを回収していく計画があっての負債のようなので、コントロールされている負債であるという印象を受けました。ただ、有利子負債は少ないに越したことはないので、ファンダメンタルや今後の動向を見ながら見極めていく必要がありそうです。
今後も長期でこの傾向が続くならば高配当狙いで保有するのはありだと思いますが、世界情勢が不安定な中、今後どうなるかは全然読めないところです。純利益率が低いので、ぎりぎりなバランスを保っているように見えますので、長期保有ではちょっと心配なところがありあます。安い時に仕入れることができれば、高配当株としてたっぷり利益を運んでくれそうですが、今後はどうでしょうか。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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