三菱商事 を評価してみました。
7大総合商社で時価総額トップの銘柄です。累進配当を宣言しているのが特徴ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。 総合商社銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
三菱商事 とは
7大総合商社のひとつです。総合商社でトップの時価総額で、10つのセグメントで構成されています。 資源関係(ガス・石油・金属)のインフラ開発をして、それを使った産業開発・事業投資をしています。 水産物などにも強みがあり、鮭鱒 の養殖・加工・販売まで連結して展開しています。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/15
株価 : 2,204 (基準日時点)
日経平均 : 19,521 (基準日時点)
1.PBR
★★★★☆
評価時点でのPBRは0.63倍です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PBRは0.66倍です。
2.PER
★★★☆☆
評価時点でのPERは6.4倍で割安です。評価時点での総合商社7銘柄の平均PERは5.65倍です。コロナショックで株価が下がってPERが割安になっています。

3.増益傾向
★★★☆☆
2016/3期に赤字を出しています。それを抜けば横ばいか若干の増益の傾向という感じです。2016/3期の赤字は資源価格暴落によるものです。

4.増配傾向
★★★★☆
2016/3期に減配しましたが、その後は連続増配しています。2020/3期も増配の予定です。

2019年の中期経営計画から累進配当を宣言しています。よって、今後減配の可能性はかなり少ないです。 下限が配当据え置きで、上限は配当性向35%という感じです。

5.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は3.7%です。2016/3期を抜いた長期平均で見ると、だいた5%くらいの純利益率なので、総合商社内では比較的に高めの数値です。

6.ROE
★★★★☆
2019年度決算ではROEが10.7%、2020年度決算予想ではROEが9.4%です。ここ数年は10%前後で推移しています。

7.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は33.5%でちょうどいい水準です。長期で見ると、配当性向30%以下でしばらく推移してきました。 中期経営戦略では将来的に35%まで引き上げることを目指しています。
8.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは5.88%です。超高配当株です。
9.負債/純利益率
★★☆☆☆
2019年決算時の有利子負債は5,346,581百万円で、純利益が590,737百万円です。負債が純利益の約9倍あり、かなり多めですが総合商社内で相対的に比べると低めです。
10.D/Eレシオ
★★★★☆
D/Eレシオは0.97倍です(四季報ベース)。 総合商社7銘柄の平均D/Eレシオはだいたい1.16倍なので低めです。現金も入れたネットD/Eレシオでは0.76倍です。
11.流動比率
★★★☆☆
最新決算短信での流動比率は127%です。 総合商社7銘柄の平均は142%なので、相対的に少な目です。
12.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=6,526億円、投資CF=-2,736億円 です。フリーキャッシュフローは安定しています。

総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、事業規模が大きくポートフォリオ(セグメント)の分散がされていることと、他の商社と比べて借金が少なめなところです。また、累進配当を宣言しているのが、インカム投資家として大きいです。
悪いポイントとしては、 資源関係のセグメントが多く、市場の状況にかなり影響されるところです。
私の評価項目では比較的良い評価です。借金の多さや業績をメインで見ていますが、やはり時価総額No.1の三菱商事のポテンシャルは高いです。累進配当の宣言もあるので、魅力的な銘柄です。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は、赤字にはなってないですが減益になっています。2009/3期、2010/3期、2013/3期、2016/3期で減配しています。それぞれの減配量は多くなく、配当性向25%前後で配当を出した結果です。これまでは配当性向重視でしたが、今後は累進配当ということで、減配の懸念はかなり少なくなりました。
2016/3期に赤字は 資源分野の市場悪化による特別損出です。赤字でも70円→50円程度の減配でした。

重要: 総合商社銘柄は高配当で魅力的ですが、現在は重要な転換点にいると思うので、次の決算をよくよく確認してから判断したほうが安全だと思います。
まとめ
- 有利子負債は多いが、総合商社内で比べると比較的少ないほう。
- 業績が安定して、稼ぐ力がある。
- 過去の傾向から、景気後退期で減益すると減配する可能性はあったが、これからは累進配当なので減配のリスクはかなり少ない。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
7大総合商社を比較したまとめ記事はこちら↓↓↓
↓クリックして応援していただけると嬉しいです。

株式長期投資ランキング

にほんブログ村
おすすめの投資本です↓↓↓