丸井グループ を評価してみました。
小売と金融が一体になったビジネスモデルの企業です。増配傾向が良いですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
丸井グループとは
丸井は百貨店(OIOI)のイメージが高いですが、小売と金融が一体となったビジネスモデルです。小売りよりフィンテックビジネス(クレジットカード)のほうが利益が約4倍ほどあります。この特殊なビジネスモデルが他の小売業に無い丸井グループの強みです。「店舗・カード・Web」三位一体のビジネスモデルで、株主優待もこの3つからもらえます。
「フロー型からストック型へ」 というビジネスモデルの転換で、 リカーリングレベニュー(継続的収入)(LTV)を強化してきています。また、Eコマースも強化していて自動化倉庫なども持っていて、他の百貨店とは違うビジネスモデルです。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/6/1
株価 : 1,916 (基準日時点)
日経平均 : 22,137 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は4,920億円の企業で規模はかなり大きいです。日経225の銘柄です。PBRは1.42倍です。
2.自己資本比率
★★☆☆☆
自己資本比率は31.3%と少な目な数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★★☆☆☆
2020年度決算での当期純利益率は10.2%です。利益率はだんだん上昇してきています。



4.増収傾向
★★★☆☆
売り上げは横ばいですが、利益が上がってきています。



5.増配傾向
★★★★★
8年連続増配をしてきています。2021/3期は業績未定ですが、配当は増配を予定しています。コロナ影響下でも増配を予定しています。



6.配当性向
★★★★☆
2020年決算時の配当性向は43%ですこし多めな水準です。配当性向は40%前後を推移しています。今後は配当性向を少しづつ挙げていくようです。



7.PER
★★★☆☆
評価時点でのPERは15.5倍で平均的な水準です。長期で株価が上がってきていましたが、コロナショックで株価が下がりPERも割安になりました。



8.負債/純利益率
☆☆☆☆☆
2020年決算時の有利子負債は500,328百万円です。直近の純利益が25,396百万円で、利益剰余金が175,031百万円なので、借金が多すぎです。D/Eレシオは1.7なのでちょっと危険です。
9.配当利回り
★★★☆☆
評価時点での配当利回りは2.97%です。もう少しで高配当株です。
10.ROE & ROA
★★☆☆☆
2020年度決算ではROEが8.8%、ROAが2.9%。2021年度決算予想はまだ出ていません。ROEはだんだん上がってきています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★★
2020年度決算では営業CF=263億円、投資CF=-74億円 です。クレジットカードのセグメントがマイナスの営業キャッシュフローとなるためで、 ぱっと見ではわかりにくいフリーキャッシュフローですが、基本的には良いキャッシュフローです。小売りと金融が融合したようなキャッシュフローです。



12.優待
★★★★★
株主優待は買物券とWebクーポンとカードのポイントです。買い物券とWebクーポンは年2回もらえるので優待利回りに直すこかなり高いです。優待利回りは100株保有の場合、買い物券とWebクーポンだけで約2%ほどあります。



総合評価
Dランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、9年連続増配と増配の傾向がとても良いことです。配当性向も悪くないです。2020/3期のコロナ影響は少なく、今後も増配をする予定となっています。また、優待の内容がとても良いです。
悪いポイントとしては、借金量が多すぎるところです。
丸井グループは小売セグメントのほうにコロナの影響がありましたが、フィンテックセグメントのほうはそれほどコロナの影響がなく増益となっています。トータルで若干の増益で着地しました。2021/3期の業績予想は出ていませんが、今後も増配を続ける意欲があるので投資家には安心です。
優待の内容が良く、総合利回りで約5%近くになるため、丸井をよく使う方には長期保有としてお勧めです。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2019/3期と2011/3期で赤字になっています。事業改革中だったのもあるかと思いますが、金融のセグメントもあるので金融危機には影響を受けやすそうです。減配をしたのは2010/3期のみで、28円→14円の減配でした。配当維持力は高く、業績が悪くてもなるべく株主還元を頑張ろうという傾向があります。



まとめ
- 小売業ですが、金融セグメントもあり、コロナ影響をまだ受けていない。
- 2021/3期も増配予定で、株主還元に積極的。
- リーマンショック時は2年赤字の決算があった。金融危機には影響を受けやすそう。
- 配当と優待を合わせた総合利回りが高いので長期保有にはおすすめかも。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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