東京センチュリー を評価してみました。
17年連続増配の総合リース銘柄です。業績は良いですが、他のリース銘柄より割高です。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。リース銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
東京センチュリー とは
伊藤忠系の総合リース会社で、かなり規模がでかいです。他のリース銘柄と同じく、総合的なポートフォリオを持っています。空機リースや太陽光発電事業に強みがあり業績を上げてきました。これからはグローバル企業をパートナーとした ITやIoTを使った新たな事業に挑戦していくそうです。やはり、リースだけではない様々なポートフォリオというのがリース業界のトレンドのようです。
12項目の評価
評価基準日 : 2020/2/27
株価 : 4,785 (基準日時点)
日経平均 : 22,002 (基準日時点)
1.増収傾向
★★★★★
きれいに右肩上がりの増収をしています。

2.増益傾向
★★★★★
利益のほうもきれいに増益しています(上のチャート参照)。
2019年度決算での当期純利益率は4.9%で、リース銘柄の中では平均よりちょっと高い利益率です。下のチャートでは10年かけて3%前半から4%後半に伸びています。

3.増配傾向
★★★★★
17年連続増配 です。リーマンショック時も増配しています。リーマンショック後から配当を3.9倍に増やしているということで、この増配傾向はかなり魅力的です。

4.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は25.1%です。リース銘柄の中では少し高めな数値です。中期経営計画では2022年に30%を目指すとなっています。良い増配にみえますが、配当性向も同時に上がっているので注意が必要です。

5.PBR
★☆☆☆☆
PBRは1.15倍です。基本的にPBRの低いリース銘柄のなかでは割高な数値です。時価総額は6,269億円の企業です。
6.PER
★★☆☆☆
評価時点でのPERは10.62倍です。リース銘柄はPERは低い傾向がありますが、その中では少し割高な数値です。
7.配当利回り
★★★☆☆
評価時点での配当利回りは2.8%です。リース銘柄としては少し高めな配当利回りです。
8.ROE
★★★★★
2019年度決算ではROEが12.7%、ROAが1.3%。2020年度決算予想ではROEが13.0%、ROAは1.4%。リース銘柄の中ではROEもROAもかなり優秀な数値です。ROEは長期で数値が安定しています。

9.有利子負債/営業資産残高(%)
★★★★☆
2019年決算時の有利子負債は3,034,005百万円です。それに対し営業資産残高は3,656,626百万円あります。 比率でいうと83%で、リース銘柄の平均でみると平均的な数値です。
リース銘柄は営業資産残高を積み上げることを中期経営計画で入れていたりしますが、この銘柄ではほとんどハイライトされていません。 リース銘柄から新たなステージに行こうとしているのであえて営業資産残高にこだわっていないのかもしれません。
「 従来型のリース」から脱却する新たな事業ポートフォリオへの転換に着手した
ホームページより
10.D/Eレシオ
★★★☆☆
2019年度決算でのD/Eレシオは6.9倍です。全業種で比べるとD/Eレシオは高いですが、借金の多さは営業資産残高でカバーできているという考え方なので、リース銘柄内での相対比較で評価しています。6.9倍というのはリース銘柄の中では平均的な値ではありますがやはり高いです。
11.流動比率(%)
☆☆☆☆☆
2019年度決算での流動比率は113%です。全業界でもリース業界の中でもかなり少ない数値です。
12.優待
★★★☆☆
株主優待は100株保有で2000円分のQUOカードと3,000円相当のレンタカー優待カードです。QUOカードのみだと優待利回りは約0.4%です。

総合評価
Cランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
他のリース銘柄より比較的に業績が良いのではないかと思います。さらに増配のスピードが速いので、それが投資家に人気の理由で、他より割高になっている理由かと思います。
配当は10年で約3.9倍ということですごいですが、収益は10年で約2.2倍、 配当性向は10年で約1.8倍になっているので、配当性向の上昇による影響も多いので注意が必要です。(2.2x1.8=約3.9)。それでも現在配当性向25%なので、今からスタートでも遅くはないかもしれません。
D/Eレシオと流動比率が悪いのが懸念です。業績の良さを考えると、コントロールされている負債で問題ないのかもしれません。
リーマンショック時の影響を確認しましたが、ほとんど影響を受けていません(下データ参照)。もっと影響の受けているリース銘柄もあるので、次の経済危機でも比較的安心かもしれません。株価は影響を受けるので、連続増配のために買ったら手放さないというのが大事かと思います。

まとめ
- 他のリース銘柄より割高になっていています。
- 増配のスピードが速いですが、配当性向が上がりすぎてきている傾向もある。まだまだ安全圏だが。
- リーマンショック時の影響が少なかったので比較的安全に長期保有できそう。
- D/Eレシオと流動比率が悪い。業績が良いのでそこまで心配しなくても大丈夫かも。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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