リコーリース を評価してみました。
24年連続増配の総合リース銘柄です。業績は良く財務状況の良いです。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。リース銘柄に特化した評価方法になっています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
リコーリース とは
リコーグループの総合リース会社です。 「リース・割賦事業」と「金融サービス事業」の2つの事業を軸に、総合的なフィナンシャルサービスを提供しています。扱高の約40%はリコー関連商品で、コピー機、複合機、プリンターといった企業向けOA機器です。顧客の98%が中小企業ということで、小口の案件を扱うノウハウとシステムを持っているのが強みです。他の大手と違い、国内のみの展開です。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/2/28
株価 : 3,785 (基準日時点)
日経平均 : 21,240 (基準日時点)
1.増収傾向
★★★★★
きれいに右肩上がりの増収をしています。9期連続増収です。

2.増益傾向
★★★★☆
利益も右肩上がりで増益しています(上のチャート参照)。若干の減益の年もありますが、全体的に右肩上がりです。
2019年度決算での当期純利益率は3.8%で、リース銘柄の中では平均的な利益率です。利益率は4%前後で安定しています。

3.増配傾向
★★★★★
24年連続増配です。リーマンショック時も増配しています。連続増配銘柄としては花王の次のナンバー2というすごい銘柄です。

4.配当性向
★★★☆☆
2019年決算時の配当性向は20.9%です。リース銘柄の中では平均的な数値です。リーマンショック時の業績悪化時でも配当性向は20%以下でした。(上のチャート参照)
中期経営計画では配当性向を25%までに上げるという目標を出していて、計画通りにいけば増配のスピードは業績の良さと相まってぐっと配当が上がりそうです。
5.PBR
★★★★☆
PBRは0.66倍です。基本的にPBRの低いリース銘柄のなかでも少し割安な数値です。時価総額は1,182億円の企業です。
6.PER
★★★☆☆
評価時点でのPERは9.56倍です。リース銘柄はPERは低い傾向がありますが、その中では平均的な数値です。
7.配当利回り
★★☆☆☆
評価時点での配当利回りは2.38%です。リース銘柄としては平均的な配当利回りです。
8.ROE
★★☆☆☆
2019年度決算ではROEが7%、ROAが1.1%。2020年度決算予想ではROEが6.9%、ROAは1.1%。リース銘柄の中ではROEは低めですが、ROAは高めな数値です。自己資本比率が他より高めなのがROAの高い理由だと思います。中期経営計画ではROAを1.3%まで上げることを目標にしています。

9.有利子負債/営業資産残高(%)
★★★★☆
2019年決算時の有利子負債は774,059百万円です。それに対し営業資産残高は951,371百万円あります。 比率でいうと81%で、リース銘柄の平均でみると平均的な数値です。
営業資産残高は順調に積み上げられています。事故率というのがとても低いです。98%が中小企業ということで、経済危機等で中小企業が潰れた際にこの事故率というのが上がるのかと思いますが、リーマンショック時の業績を見るとそこまで心配なさそうです。

10.D/Eレシオ
★★★★☆
2019年度決算でのD/Eレシオは4.4倍です。全業種で比べるとD/Eレシオは高いですが、借金の多さは営業資産残高でカバーできているという考え方なので、リース銘柄内での相対比較で評価しています。4.4倍というのはリース銘柄の中では良いほうです。
11.流動比率(%)
★★★★★
2019年度決算での流動比率は344%です。一般的に基準とされる200%を大きく超えているのでとても良いです。
12.優待
★★★☆☆
株主優待は100株保有で3000円分のQUOカードです。優待利回りは約0.79%です。長期保有での優遇があり、1年以上で4000円分、3年以上で5000円分にグレードアップします。
総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
業績が良く、かつ財務状況が良いです。D/Eレシオが低く、流動比率が良く、ROAが高いです。
リース銘柄ナンバー1の連続増配年数です。低めの配当性向を維持できていたのが良かったのかと思います。これから配当性向をさらに上げていく目標がありますが、この業績なら大丈夫そうです。
中期経営計画では「リースの先へ」というキャッチフレーズを使っています。他の総合リース会社と同じく、リースをベースとした新たな事業への挑戦をしようとしています。その面でいうとリコーリースは少し出遅れている感があります。他のリース企業は航空機、不動産、海外など大型案件に取り組んでいますが、リコーリースは国内展開でまだ模索している感もあります。しかしその反面で、借金を減らして良い財務状況になっているので、そこがリコーリースの魅力だと思います。
最後にリーマンショック時の影響ですが、影響は比較的少ないのかと思います。利益は一時的に下がっていますが、配当性向を5%程度上げただけで連続増配を維持できています。この業績なら今後も増配を期待できます。

まとめ
- 他のリース銘柄より財務状況が良い。
- 新規事業への展開は少し出遅れ気味。
- リース銘柄ナンバー1の連続増配年数で、安定感が高い。
- 将来の経済危機での増配し続けることができる実力がある。
- 長期保有を後押ししてくれる良い株主優待。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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