セイノーホールディングス を評価してみました。
財務良好で割安な物流の企業です。業績に安定感がありますが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
セイノーホールディングス とは
”カンガルー便”で有名な路線トラックの業界最大手の企業です。他にもセグメントがありますが、ほとんどが輸送事業です。その次に売り上げが大きいのが自動車販売事業で、岐阜県を中心にディーラー運営などをしています。
ITを使った業務効率化による収益性の改善や、ダブル連結トラックという新たな試みなど、日本の人口減少に対策するいろいろな試みが進められています。また、ドローン輸送の研究などもしていて面白いです。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/27
株価 : 1,236 (基準日時点)
日経平均 : 19,678 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は2,512億円の企業で規模は大きめです。PBRは0.58倍とかなり割安です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は65.8%とかなり高いです。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は3.4%です。 利益率は少な目ですが、右肩上がりで増えてきているので良い傾向です。



4.増収傾向
★★★★★
安定して緩やかな右肩上がりの増収になっています。利益の成長が良い傾向です。



5.増配傾向
★★★☆☆
緩やかに増配している傾向があります。2017/3期に若干減配しました。以前は長期で11円の配当だったのですが、2015年/3期から増配を始めました。2020/3期決算では配当未定となっています。



6.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は30.5%です。ちょうどいい水準です。
7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは9.82倍で割安です。PERも株価もだんだん下がってきています。



8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債は14,634百万円です。直近の決算の純利益が21,216百万円で、利益剰余金が309,936百万円なので問題ないです。D/Eレシオは0.03なので安全です。
9.配当利回り
★★★☆☆
評価時点での配当利回りは2.59%です。高配当株では無いです。
10.ROE & ROA
★☆☆☆☆
2019年度決算ではROEが5.2%、ROAが3.2%。2020年度決算予想ではROEが5.8%、ROAは3.8%です。ROEが数値は低いですが、だんだん上がってきています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=480億円、投資CF=-225億円 です。フリーキャッシュフローは良い傾向で、キャッシュの積み立てがどんどん多くなってきていてとても良いです。



12.優待
★★★☆☆
株主優待は自社グループ会社運営専用サイト(食品・日用品・クオカード等)で利用可な 買物優待クーポンで、100株保有で 700円相当 です。優待利回りは約0.56%です。3年以上の長期保有で+500円になります。
総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
良いポイントとしては、財務がとても優良で、業績が安定しているところです。収益性を改善していて、利益率やROEがどんどん増えてきています。PBRもPERがかなり割安です。借金が少なく、キャッシュを沢山もっています。
悪いポイントとしては、純利益率とROEが少な目なところと、増配の傾向も弱めなところです。
重要なインフラである物流の業績は底堅いところがあると思います。 業務効率化による収益性の改善により増収していて、利益率がどんどん上がってきているのが良いと思います。
借金が少なくキャッシュを沢山もっているので企業に体力があります。2015/3期に1円の減配をしていて、2020/3期で配当未定になっているのでまた若干の減配になる可能性はあります。
優待に長期優遇があるので長期保有での総合利回りを考えると長期保有にはおすすめです。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は2009/3期で-43%の減益でした。2010年からは回復して右肩上がりに成長しています。業績が悪くても配当据え置きで減配しませんでした。配当性向が65%に上がりましたが、減配せずに持ちこたえました。2017/3期に若干の減配をしましたが、基本的に減配しない傾向を長期で続けてきています。今後の景気後退局面でも減配せずに配当を出し続けられそうです。
まとめ
- 好財務で割安な銘柄
- 利益率やROEは少な目だが改善傾向にある
- リーマンショック時の影響は少な目で、減配していない
- 長期で減配していないので配当の面では安心(2020/3期の配当は未定)
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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