日本電信電話(NTT)を評価してみました。
ドコモの完全子会社化で話題になりました。人気の高配当銘柄ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
日本電信電話(NTT)とは
国内通信事業の最大手グループのNTTです。携帯電話のドコモのイメージですが、電話や光ケーブルの通信事業などがメインの事業です。

現在は事業構造を展開していて、SIやIP、データの事業の割合が増えてきています。また、海外事業も伸ばしています。中期経営戦略の柱として、5Gサービスやデジタルトランスフォーメーションを推進しています。リモートワークのサービスも展開しています。



12項目の評価
評価基準日 : 2020/11/23
株価 : 2,492 (基準日時点)
日経平均 : 25,527 (基準日時点)
1.時価総額
★★★★★
時価総額は94,067億円の企業で規模はかなり大きいです。日経225の銘柄です。PBRは0.95倍です。
2.自己資本比率
★★★☆☆
自己資本比率は40.2%と平均的な数値です。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。自己資本比率は横ばいで若干悪化の傾向も見えます。



参考:マネックス証券より
3.当期純利益率
★★☆☆☆
2020度決算での当期純利益率は7.2%です。利益率は低めですが、ここ数年は上がってきています。



4.増収傾向
★★★☆☆
売り上げは長期でほとんど横ばいです。利益は上昇傾向があります。2021期は減収見込みです。



5.増配傾向
★★★★★
配当は連続増配をしています。2021年期も増配の予想です。16年以上の累進配当の実績があります。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は41%と少し多めな水準です。長期で低めな水準で推移しています



7.PER
★★★★☆
評価時点でのPERは10.77倍で割安な水準です。株価はしばらく横ばいで推移しています。PERもほぼ横ばいですが、少しづつ下がってきています。



8.負債/純利益率
★★☆☆☆
最新四季報での有利子負債は4,689,793百万円です。 2020/3期の純利益は855,306百万円で、利益剰余金は6,598,281百万円なので負債量はかなり多めな印象です。D/Eレシオは0.52倍で、ネットDEレシオは0.41倍です。資本に対しては負債は少なめだが、稼ぐ力に対しては負債が多い印象です。DEレシオが少しづつ上昇しているのが少し気になります。



ドコモの完全子会社化で有利子負債が悪化しますが、そこまで悪化しない予定です。



9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは4.01%です。かなり高配当株です。



10.ROE & ROA
★★★☆☆
2020年度決算ではROEが9.3%、ROAが3.7%です。 2021年度決算予想ではROEが9.1%、ROAが3.7%です。 ROEは8%前後で安定しています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2020年度決算では営業CF=29,952億円、投資CF=-18,527億円 です。フリーキャッシュフローは長期でプラスで安定しています。



12.優待
★★★☆☆
株主優待は「dポイント」付与です。長期保有が必要で、100株余裕で継続保有2年以上3年未満の株主には1,500ポイント、継続保有5年以上6年未満には3,000ポイントとなっています。ドコモユーザーにはうれしいと思います。
総合評価
Bランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
インカムゲイン狙いの長期投資の評価基準に基づいたランキングです。このランキングが企業の価値を表しているわけではないので参考程度にしてください。基準が変われば評価も変わります。Dランクが悪い企業だというわけでもないので、偏見の無いようにお願いします。
コメント
良いポイントとしては、増配の傾向が良いところです。時価総額の非常に大きい業績の安定した高配当銘柄です。配当性向は低めで、PERやPBRが割安水準です。
悪いポイントは、負債量が多く財務状況が少し悪めです。業績が横ばいで企業成長が弱いところです。
売り上げがほとんど伸びていないのでキャピタルゲインはそこまで上がらなそうです。キャピタルゲイン狙いよりインカムゲイン狙いの投資家にオススメだと思います。業績が安定していて、増配の傾向が良いので、長期保有に良いと思います。暴落する局面があれば買いのチャンスだと思います。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック前後で大きな業績への影響はないようです。やはり通信はディフェンシブ銘柄で景気後退局面でも業績が安定しています。
まとめ
- 業績安定の巨大通信企業。
- 多角化経営で海外も伸ばしている
- 配当性向は低めで増配の傾向が非常によい。
- 割安な高配当株
- ディフェンシブ銘柄で景気敏感時に強い
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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