三協フロンテア を評価してみました。
業績の良い高配当株。底堅いニーズがあるので安定性がありそうです。長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
三協フロンテア とは
仮設ハウスのレンタル・販売でトップ級の企業です。 仮設ハウスは災害復旧や首都圏工事向けにニーズがあるので、順調に売り上げを伸ばしています。オリンピック需要も見込めそうです。電気や空調・水まわりなどの附帯設備を含めた 「本建築」 サービスも提供しています。 47都道府県すべてに出店しています。
ユニットハウス(仮設ハウス)とプレハブは似ているが違っていて、ユニットハウスのほうが付加価値が高いようです。施工期間がとても短いのが特徴です。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/4/9
株価 : 3,200 (基準日時点)
日経平均 : 19,332 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は450億円の企業で規模は小さめです。PBRは1.05倍で平均的です。
2.自己資本比率
★★★★☆
自己資本比率は54.1%と高いです。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★★☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は9.2%です。リーマンショック後は不調でしたが、その後復活して長期で8%前後で安定しています。



4.増収傾向
★★★★★
6年連続で増収しています。2012年頃から利益を出せる体質になったようで、その後の成長は非常に順調です。2012年には東日本大震災での仮設ハウスの特需があったようです。



5.増配傾向
★★★★★
4年連続増配中で、2020/3期も増配予想です。 2010年からは累進配当の傾向で、減配していません。



6.配当性向
★★★★☆
2019年決算時の配当性向は28.9%でちょっと少なめな水準です。配当性向は30%前後で安定して推移していて、かつ、増配しているというのがとても良いです。



7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは8.23倍で割安です。株価の振れ幅は大きいですが、全体的に割安で推移しています。



8.負債/純利益率
★★★☆☆
2019年決算時の有利子負債は11,322百万円で、直近の純利益が3,838百万円なので借金はちょっと多いです。利益剰余金が30,348百万円で、D/Eレシオが0.33なので余裕はありそうです。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは3.75%です。高配当株です。
10.ROE & ROA
★★★★☆
2019年度決算ではROEが12.4%、ROAが6.4%。2020年度決算予想ではROEが12.6%、ROAは6.8%です。リーマンショック後からROEは10%以上で推移していて安定感があります。



11.フリーキャッシュフロー
★★★☆☆
2019年度決算では営業CF=4,199百万円、投資CF=-1,972百万円 です。ここ数年のフリーキャッシュフローは良いです。営業CFがマイナスになっている年があるのは、レンタルによる営業資産(リースでいう将来に見込める売り上げ)のためかと思います。業績は2012年からずっと良いので、問題のないキャッシュフローかと思います。(しかし、わかりにくいキャッシュフローです)



12.優待
★☆☆☆☆
株主優待は100株以上保有で 抽選によるコンサートチケットや観戦チケットがもらえます。 千葉県柏市 に本社があるということで、地元の内容の優待です。コンサートは 当企業が主催するもので、1994年から初めて毎年続けています。



総合評価
Aランク
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
財務状況はそんなに悪くなく、稼ぐ力があって業績が順調な優良企業です。配当の傾向がとてもよく、配当性向は30%前後で推移していて、一株利益(EPS)の増加とともに順調に増配を続けています。
サニタリー機器含めた「本建築」の業績が良く、付加価値が高いです。ほぼ家のような外観のクオリティで移転可能という商品です。 レンタルの仮設ハウスではストック収入になるので、全体的に安定感の高いビジネスモデルだと思います。
日本では今後も自然災害が増えていきそうなので、仮設ハウスのニーズは底堅いと思います。また、オリンピックでの建設需要も高いと思います。コロナウイルスによるイベントの自粛での首都圏での仮設ハウスの需要は一時的に少なくなりそうです。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
2010年決算では純利益率で約70%の業績悪化をしていますが、赤字にはなっていません。次の年の2011年も苦戦しましたが、2012年からは震災需要で一気に業績が良くなっています。
2010年では若干の減配をして、配当性向は約65%近くまでいきました。その後、減配はせずに累進配当の傾向でたえて、業績がよくなってかた増配するようになりました。



まとめ
- 業績の良い高配当株。配当性向も問題ない。
- ビジネスモデルが良く、安定成長しそうな企業。
- 景気後退局面ではダメージを受けるが赤字にはならなそう。オリンピック需要や、日本特有の自然災害によるニーズなどがあるので底堅い銘柄。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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