旭情報サービス を評価してみました。
IT関連のアウトソーシングを行う企業です。財務優良で割安な高配当株ですが、長期保有対象としてはどうでしょうか?
この記事では、
- 直近の四季報の数値を独自の計算式に入れて5段階評価をしています。
- 長期投資するメリットがあるかの視点での12項目を評価しています。
- 12個の5段階評価を考慮し、最終的なランクをつけています。(Sランク~Dランク)
- 最後に主観的なコメントもしています。
旭情報サービス とは
情報通信技術(ICT) 関連の企業です。 企業内ネットワークシステムの構築・運用などに技術者派遣のサービスを提供しています。 3つの事業類型があり、常駐型アウトソ-シング、受託型アウトソーシング、エンジニア派遣です。

12項目の評価
評価基準日 : 2020/3/30
株価 : 985 (基準日時点)
日経平均 : 19,084 (基準日時点)
1.時価総額
★☆☆☆☆
時価総額は93.3億円の企業で規模はかなり小さいです。PBRは0.94倍で少し割安です。
2.自己資本比率
★★★★★
自己資本比率は80.2%でかなり高いです。一般的には50%以上でかなり優良と言われています。業種にもよりますが、30~40%が平均です。
3.当期純利益率
★☆☆☆☆
2019年度決算での当期純利益率は6.7%です。リーマンショック時は2010年決算が底でしたが、その後順調に回復しています。



4.増収傾向
★★★★★
とてもゆっくりですが、右肩上がりで連続増収しています。リーマンショック後から9年連続増収です。



5.増配傾向
★★★★☆
3年連続増配中です。2020/3期も増配予想です。2010年から2016年までは配当30円で据え置きでした。業績が良くなってて、また配当性向が下がった2017年から増配を始めました。



6.配当性向
★★★★★
2019年決算時の配当性向は36.7%と良い水準です。 リーマンショック時は配当性向100%超えを連続で出していましたが、配当は30円で減配せずに持ちこたえました。その後、配当30円固定で配当性向がどんどん下がってきて、2017年から少しずつ増配を始めています。



7.PER
★★★★★
評価時点でのPERは9.11倍で割安です。長期ではだんだん割安になってきています。



8.負債/純利益率
★★★★★
2019年決算時の有利子負債は260百万円です。2019年度決算の純利益が761百万円で、利益剰余金が7,270百万円なので、借金はほぼ無いです。D/Eレシオも0.03でほぼ無借金経営です。
9.配当利回り
★★★★★
評価時点での配当利回りは3.86%です。株価下落でかなり高配当になってきています。
10.ROE & ROA
★★★☆☆
2019年度決算ではROEが9.8%、ROAが7.4%。2020年度決算予想ではROEが10.1%、ROAは8.1%です。ROEとROAの数値がだんだん改善してきています。



11.フリーキャッシュフロー
★★★★☆
2019年度決算では営業CF=807百万円、投資CF=-392百万円 です。長期でプラスなフリーキャッシュフローです。キャッシュの積み立てがとても多いです。



12.優待
★☆☆☆☆
株主優待は1,000株以上保有で ギフトカード5,000円分 です。優待利回りは0.5%ほどです。1,000株だと100万円近くするので、なかなか買えないです。
総合評価
Aランク (ただし注意が必要。コメント参照)
Sランク : 長期投資して安心して配当をもらい続けることができそうな超優良銘柄。長期ではキャピタルゲインも狙えるかも。
Aランク : 安心できる優良銘柄。長期投資での候補にできる。購入後のチェックは必要。
Bランク : 依然優良銘柄だが、気になるところもある。こまめにチェックして買い時と売り時を考える必要がある。
Cランク : 長期投資の対象としてはちょっと難しい銘柄。購入にはより詳細な調査と分析が必要。
Dランク : 長期投資の対象としてはかなり難しい。(優待が良ければ保有も可)
コメント
財務優良でだんだん成長してきている企業です。増配をはじめたのは最近ですが、業績や一株利益(EPS)の上昇も良く、安定感のある高配当株です。売り上げを伸ばして利益をとるのではなく、収益性を上げて利益率を改善することで利益を増やしているのが良いと思います。
技術者ニーズの高いIT分野や、最近話題のRPAにも取り組んでいます。成長余力のある産業なので将来を期待できる企業だと思います。
懸念点としては、アウトソーシング型の業態なので、景気の影響を受けやすい業界です。景気後退局面では注意が必要です。
リーマンショック時影響
過去の景気後退局面であるリーマンショック時にどうだったかを確認し、今後の景気後退局面での予想をします。
リーマンショック時は黒字で耐えています。業績が底になった2010年は営業利益が75%減となり、厳しい状況でした。しかし、その後世界景気と連動して徐々に回復してきています。
配当の傾向に特徴があり、配当性向100%超えでも減配はせずに持ちこたえて、配当性向が40%以下になるまで増配も減配もしませんでした。フリーキャッシュフローではキャッシュが積みあがっている(内部留保がある)ので、次に業績が悪くなった時でも減配せずに配当性向が上がるような傾向になりそうです。よって、長期保有する場合は配当利回りでのインカムゲインを予想しやすいです。
まとめ
- 財務優良な高配当銘柄。(優待は難易度が高い)
- ITやRPAという伸びしろのある産業に取り組んでいるので将来に期待できる。
- 景気敏感性が強そうなので投資の判断が難しい。
- 業績が悪化しても減配しない傾向なので、インカムゲイン狙いにおすすめ。
銘柄の評価と分析は独自のもので、ランクが高いから絶対儲けられると保障したものではありません。銘柄選定の参考程度にしていただき、実際の投資の際はご自身の判断と責任にてお願いします。
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