派遣関連銘柄が割安になっています。
コロナショックと景気後退懸念により派遣関連銘柄の株価が急落しています。 業績が良くても売られるので景気後退を見越して先行的に売られているいところもあります。 派遣業は確実なニーズがあり、特に技術者派遣は急成長している魅力的な銘柄です。現在割安感の高い技術者派遣関連銘柄が多いですが、景気後退局面でおすすめかどうかを考察してみました。
派遣業の景気敏感性
派遣業は景気敏感性があります。下のデータは人材派遣市場のデータですが、リーマンショック時は派遣切りなどがあり、正社員を維持しようという動きがあったため市場が減少しています。 技術者派遣は 特定労働派遣事業に属すと思いますが、一般と比べ影響度はそれほどではありませんでした。

コロナウイルスと経済への影響
現在、派遣銘柄が売られまくっているのはコロナショックの影響が大きいです。しかし、魅力的な銘柄であるビーネックスとアウトソーシングは2年前くらいからずるずると株価を下げています。この2銘柄は業績がとても良いので株価が若干過熱していていましたが、景気後退懸念があったので下がっていたのかもしれません。全体的に割安になっていますが、今後経済への影響が顕著になってくると業績の悪化も考えられるので難しい局面になっています。
技術者派遣業を取り巻く状況
投資判断に使える各種情報をまとめました。
技術者派遣のニーズ
技術者派遣のニーズが高まっています。市場規模が2009年では約1.2兆円だったのが、2017年には約1.8兆円に拡大しているというレポートがあります。(出典:厚生労働省)
下の2つの資料は人材派遣市場の全体規模と技術者派遣市場規模です。 人材派遣の全体市場は飽和しつつありますが、技術者派遣は依然成長を続けています。


研究開発費の増加とIT人材不足
下の2つの資料は研究開発費の推移とIT人材のニーズです。経済危機でも企業は研究開発費を渋るということはあまりしてこなかったようです。”派遣切り”というイメージとは違い、技術者派遣のほうは影響を受けにくいのかもしれません。
また、技術者派遣市場の約1.8兆円の約半分はIT関連です。 IT向けでの技術者不足があり、自動車業界を中心にIT技術者の強いニーズがあり、かなりの成長余地があります。


終身雇用の崩壊と大企業でのリストラ
正社員の立場を揺るがすニュースが2つありました。
- トヨタ社長や経団連の「もう終身雇用を維持できない」というコメント
- 大企業での45歳以上のリストラ
今後も大企業を中心にこのような傾向が続きそうです。その結果、アメリカのように転職が普通になる環境にだんだんなっていくのではないかと思います。特に、金融危機や景気後退局面になった場合はさらに加速しそうです。
業績が悪くなった場合、正社員を維持するのか、終身雇用をやめてリストラで人員整理をするのか、どっちになるかわかりませんがどちらかというと後者のほうになりそうだと個人的に予想しています。その場合は派遣業に有利な環境になります。なぜなら、より派遣の規模を拡大できて、流動的に稼働率を上げることができるためです。
中小企業の場合は大企業ほど体力(内部留保など)がないので、業績が悪くなった場合は大規模リストラや倒産になると思います。その場合は派遣業界にマイナスになりそうです。大手企業を主要顧客としている傾向がある派遣銘柄は影響を受けにくいかもしれません。
同一労働、同一賃金
2020年4月から大企業で導入される制度で、正社員と派遣社員等(パート・契約社員含む)の不合理な待遇差を禁止するものです。働き方改革の一つで、派遣業界に良い影響を与えます。
その反面、大企業の正社員には風向きの悪い制度になりそうです。黒字リストラというトレンドワードもありますが、正社員の人件費は大企業の大きな負担となっています。そのため、能力の低い正社員の賃金を下げる可能性があります。その場合、能力の低くても賃金を払いすぎている社員をリストラし、派遣を増やす可能性が大いにあると思います。より実力主義となっていくので、技術力に定評のある技術者派遣銘柄には期待を持っています。
技術者派遣が魅力的か?
とれまでの内容をまとめると技術者派遣の特徴は下記になります。
- 景気後退懸念とコロナショックでかなりの割安になっている。株価はとことん下がる可能性がある。
- 派遣業は景気敏感性が高いと思われがちだが、技術者派遣は景気後退局面のも強いニーズがある。
- 正社員に不利で、派遣に有利な環境が生まれている。そこが前回のリーマンショック時と違うところ。
ここからは個人的な見解になりますが、景気後退局面の後は技術者派遣銘柄はかなり伸びると予想しています。どん底に下がったあとの成長はすごいことになると思っています。
景気後退局面の際は大企業を中心に45歳以上のリストラがかなり増えると予想しています。その間は派遣関連銘柄は厳しいですが、回復してくるとどんどん技術者派遣が増えてくると思います。リーマンショックの時とはちょっと違い、リストラが以前よりもっと増えて、派遣にさらに有利になるのではないかという予想です。その際に、稼ぐ力のあるビジネスモデルを確立している技術者派遣銘柄は今後とても魅力的になると思います。
派遣関連銘柄の業績が悪くなるのは、その顧客である企業の業績が悪くなってからだと思います。景気後退懸念が騒がれるようになって、実際の決算が悪くなってくると派遣の売り上げが少なくなるのでそこで株価がぐっと下がると思います。逆張りで底を狙いたいところですが、これから中期的にはさらに下げる可能性もあるので投資判断が難しいです。個人的にはもうすこし様子を見たいと思います。
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おすすめ銘柄
下で紹介する2つの銘柄は成長率がとてつもなく、稼ぐ力が強いのでおすすめです。懸念点としては、どちらも海外事業を増やしていることです。この記事では海外の派遣市場について調べてないので、景気後退局面でどう影響するか見えていません。
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